ファクタリングの恩恵を受ける影響が大きい業種は建設業、製造業、運送業、人材派遣業が挙げられます。融資や助成金といった、いずれは返済しなくてはならない資金ではなく、資金化しても将来の借金にならないという利点があるファクタリング。
今回は建設業とファクタリングの関係性、そして本当にファクタリングが建設業の資金繰りに最適解となるのかということについて徹底的に解説していきます。
また弊社「えんナビ」では、これまで数多くの建設業経営者の方々からご支持を頂いてきました。建設業のファクタリング成約率も高く、継続してファクタリング取引をして頂いている経営者様も少なくありません。
会社の資金繰りに悩まれている方、債権をいち早く現金化したいとお考えの方はお問い合わせください。
建設業の資金ショートにはファクタリングが最適な理由
建設業は、日本の産業の大多数を担う業種です。戦後から高度経済成長期を経て、現在に至るまで建設業無くして、今の日本を形成出来なかったでしょう。しかし、時代が移り替わるにつれて、建設業の中でも、資金力のある会社と、資金力がない会社では、はっきりとした格差が表れてしまっていることも事実です。
資金力のない会社は、資金繰りが厳しくなってしまい、黒字経営をしていたとしても、資金ショートによる債務超過で破産してしまうケースもあります。黒字化しているのにも関わらず破産をしてしまうというのは一旦矛盾しているかも知れませんが、多くの建設業が毎月の支払いに戦々恐々としています。
資金ショートに対応するためには、銀行融資や助成金、そしてファクタリングという方法があります。前者二つはあくまでも「借入」、つまりは借金をして資金繰りをしていく行為です。ファクタリングは、売掛債権を早いタイミングで資金化する方法で、借金にならない資金調達方法です。
ここではまず、ファクタリングとは一体どんな資金調達方法なのかについて説明していきます。
ファクタリングとは?
そもそもファクタリングとは一体何なのでしょうか?ファクタリングは金融業界でも歴史が古い金融工学の名称で、15世紀に現在の形となる売掛債権売買取引が誕生しました。売掛債権を第三者に売買することによって、売掛債権の支払い日よりも前の段階で資金を調達出来る方法として全世界で行われています。
日本では近年になって注目されている資金化の方法ですが、すでに欧米諸国では、手形取引よりもメジャーな金融工学で、その利便性の高さによって多くの企業が活用しています。欧米の建築業界も、日本の建築業界同様、売掛や買掛によって仕事を進めています。
一つのプロジェクトに複数の企業が下請け、孫請けとなって取り組みます。人件費や材料費などの経費は発注元の企業から売掛債権として支払われるのが普通です。そのため、日本同様、売掛債権支払いのタイムラグによって、資金ショートによる黒字破産が起こり得る環境にあります。
日本と欧米の違いは、このファクタリングを企業運営の一部に組み込まれているという点です。ファクタリングが一般的になっている欧米の建築業界では、日本に比べ、黒字倒産が発生していません。売掛元、売掛先、ファクタリング業者の3社が、それぞれWINWINの関係を築けていることが、日本と欧米の違いと言えます。
ファクタリングには大きく分けて2つの取引方法があります。それが「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という方法です。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、売掛元とファクタリング業者の2社間で行われるファクタリングのことです。売掛元となる企業が、ファクタリング業者に依頼をして売掛債権を「売り」に出し、ファクタリング業者は手数料を差し引いて、売掛債権を現金化し売掛元に支払います。
売掛債権の期日に売掛先の企業から支払われた「売上代金」をそのままファクタリング業者に送金します。売掛債権を「モノ」として扱い、リサイクルショップや質屋にモノを売るのと同じ感覚で経営資金を調達する方法です。
2社間ファクタリングでは、基本的に売掛先への売掛債権譲渡通知は行われません。もちろん売掛債権の契約時に譲渡禁止事項などが明記されている場合は別です。売掛債権譲渡通知が行なわれないというのは、資金繰りに困っているという事実を売掛先の企業に知られることが無いという利点もあります。
資金繰りが厳しいという事実が相手の企業に知られてしまうと、今後の取引が控えられる可能性もあります。そういった状況を回避出来るのが2社間ファクタリングです。ただし、後から紹介する3社間ファクタリングに比べると、審査が厳しく、手数料も割高になります。
審査というのは、売掛元(ファクタリングを依頼する側)の審査ではなく、売掛先企業の経営状況の審査です。ファクタリング業者が扱うのはあくまでも「売掛債権」です。売掛債権がお金にならない状態(倒産など)ではないかということを一番危惧しています。
審査に通って初めて資金化に成功するわけですが、ファクタリング業者にとっては、売掛債権がきちんと支払われるかが取引の「肝」になります。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングと違い、売掛先の企業も巻き込んだファクタリング取引です。2社間ファクタリングでは、売掛先の企業へ売掛債権譲渡通知がされませんが、3社間ファクタリングの場合には、売掛先と売掛元が同意の上でファクタリングを行なうため、通知は必至です。
3社間と2社間の違いは売掛債権譲渡通知の有無だけではありません。売掛債権の代金の送金先が、売掛元ではなく、ファクタリング業者へ直接送金されることも3社間ファクタリングの特徴です。
先ほども述べましたが、3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングに比べ、手数料がかなり低く設定されています。その理由は、「貸し倒れの危険性が低いこと」が挙げられます。2社間ファクタリングでは売掛債権の売り上げが一度売掛元を経由してファクタリング業者に送金されます。
この時、万が一資金繰りに困っている売掛元が、本来ファクタリング業者に支払うはずの債権売上を使い込んでしまうと、トラブルの原因になってしまい、ファクタリング業者の取り分が無くなってしまいます。そういったトラブルが無い3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングよりも手数料が安く設定されているのです。
ファクタリングまとめ
ファクタリングには2種類の方法がありますが、基本的には売掛債権の売買が基本であり、融資や助成金といった「借入」とは一線を画す資金調達方法です。売掛債権の支払い期日前に資金化することによって、資金ショートが起こりにくくなり、黒字経営のままで事業を展開出来ます。
手数料の高い安いはありますが、黒字破産を避けるためのファクタリング活用はぜひ金策の検討材料にしてはいかがでしょうか?
建設業が資金ショートしやすいのはなぜか?
建設業は、他の業種に比べて資金ショートから黒字破産しやすい業種です。ここでは、どうして建設業が資金ショートしやすいのかということについて解説していきます。
売掛先の締日と支払い条件を把握していない
建設業の多くは中小零細企業が多く、専門的な経理スタッフが在籍していないという弱点があります。基本的に営業や経理などの事務作業は社長や社長の家族が兼務している場合が多いです。そのため、金策に対しての知識が不十分な場合があり、売掛取引の際に売掛先の締日や支払い条件といった取引に重要な事柄についてきちんと確認しないまま売掛契約をしてしまうことが資金ショートにつながっています。
どんぶり勘定
先ほどのケースと似ていますが、どんぶり勘定とは「売掛金の内容を把握していない」ことを指します。建設業では、請求と入金、そして工事完了後に支払われる「保留金」が存在します。そのため、請求した金額の100%が支払われないと、下請けや孫請け、材料費などの経費の支払いが出来ないというケースに陥ります。
きちんとした経理部が、資金管理を出来ていればそういった問題は起こりにくいですが、経理も営業も施工も行なっている現場型の社長はこの点を確認しないまま売掛取引をしてしまいます。結果的に資金ショートに陥ってしまい、黒字破産につながりやすいケースと言えます。
弊社「えんナビ」ではファクタリング業以外にも経営コンサルタントサービスも行なっています。資金調達だけではなく、将来的な財務関連のサポートに関してもご相談頂けます。
建設業の一般的な資金繰り
建設業の資金繰りは、ファクタリングを使わない場合どのようにして成り立たせているのでしょうか?
もっとも一般的な「銀行融資」
最も一般的なのはやはり「銀行による融資」です。
2018年の現在は金融緩和の影響で銀行も融資をしてくれる可能性が大きいですが、結局は借金です。融資ですから金利が発生し、必要な経費にはこの「金利」も発生してしまいます。金利次第では、本来手元に残るはずのお金が目減りしてしまい、仕事をしているのに赤字という状況にもなりかねません。銀行融資のメリットとデメリットもきちんと把握しておく必要があります。
銀行融資のメリットとデメリット
銀行融資のメリットは「金利の低さ」です。街金や融資会社の金利と比べると、かなり低く抑えられています。しかしデメリットも多くあります。
それが「審査」と「融資までの時間」です。高額な融資になればなるほど審査と手続きに時間がかかってしまい、資金ショートによる黒字破産が起こりやすいとも言えます。審査が厳しいという点もデメリットでしょう。黒字経営を続けている会社であれば別ですが、決算などで赤字経営が目立っていたり、債務が多く発生したりしている場合には審査をパスすることが出来ずに融資が出来なくなる恐れもあります。
助成金
銀行融資以外の資金繰り方法としては「助成金」が考えられます。行政から支給される事業を支援するための運転資金のことです。基本的に労働を司る「厚生労働省」が管轄しています。主に労働環境の改善や、新規事業の立ち上げ、高年齢雇用者の雇用する際などに申請をすることが出来ます。
助成金のメリットとデメリット
基本的に返済しなくてもよいのが助成金であり、融資よりもメリットが大きい金策ではありますがデメリットもあります。
それは手続きの申請の手間や、申請から受給までの期間の長さです。そのデメリットの影響で、あまり利用している業者がいないということも事実です。
銀行融資や助成金で資金繰りが潤滑にいかないケース
銀行融資や助成金があっても資金繰りが上手くいかないケースもあります。ここでは、銀行融資と助成金のデメリットから生まれる資金繰りの失敗について解説していきます。
銀行融資と助成金申請のデメリットから生まれる理由その1~審査・手続き期間
まずは、審査や手続きの期間が長いというデメリットで生まれるトラブルです。先ほど述べた「建設業が資金繰りショートしやすいのはなぜか?」とも重なって発生することが多いトラブルです。建設業の取引では①請求書発行→②売掛債権取引→③施工→④売掛債権代金の一部支払い→⑤完成→⑥保留金(売掛債権の残り)の支払いという流れが一般的です。
この時に、③の施工の段階で大部分の売掛代金が入金されればいいですが、この④が工事完成後になってしまうと、経費の支払いをすることが出来ずに資金ショートによる債務超過で破産という事態に陥ってしまいます。経費を支払える預金があれば問題ないですが、そういった流動資産が手元に残っていない場合には、売掛での取引はかなり危険な取引と言えます。
その流動資産を銀行融資や助成金で賄おうとすると、そのデメリットである審査や手続き期間の長さによって、資金ショートが発生しやすいという状況になってしまいます。融資に頼らずに事業を行なうことが出来ればいいですが、施工期日などもある為、運転資金に不安を抱えたまま仕事をしなければならなくなる可能性もあります。
銀行融資と助成金申請のデメリットから生まれる理由その2~経営状況が原因で審査に受からない
最も怖いのが、この状況です。融資審査中からすでに施工を開始していて、銀行や行政から融資や助成金が得られないという連絡があった場合、事業を継続させられなくなり、破産どころか、施工依頼主にまで迷惑をかけてしまうことにも繋がりかねません。普段の経営状態を健全に保っておくこと(黒字経営)がとても重要だということになります。
ファクタリングは通常の資金繰りのデメリットを補う最適解である
ファクタリングは、銀行融資や助成金のデメリットを解消してくれる最適解です。ここではファクタリングのメリットが以下に銀行融資や助成金の持つデメリットを解消してくれるのかという点について解説していきます。
ファクタリングのメリット=銀行融資と助成金のデメリット解消
ファクタリングのメリットとしては、「スピード」と「審査先の違い」が挙げられます。どちらも密接に関係しています。2社間ファクタリングも3社間ファクタリングも早い業者であれば、即日で売掛債権を資金化出来ます。3社間ファクタリングは、売掛先の企業の担当者(社長など)との日時調整が必要になる為、即日というのは難しいかも知れませんが、事前に売掛先と売掛元で同意を得ている状態であれば、即日資金化というのも理論上は可能です。
また、審査という点も銀行融資のデメリットを一部カバーしています。銀行融資は、融資を受ける側、つまり売掛元の経営状態が審査されます。ファクタリングの場合には、売掛元ではなく売掛先である企業が審査の対象になります。要は貸し倒れにならないかどうかという点を審査されるというわけです。
例え赤字経営で融資を断られてきた企業であっても、ファクタリングでは自社の経営状況よりも売掛先の経営状態で審査の合否が決まるため、銀行融資に比べて審査に通りやすいというメリットがあります。
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まとめ
ファクタリングは資金ショートに繋がりやすい建設業にとっては、大きな味方になる金融工学です。特に日本の売掛取引が主流の現在では、特に有効な金策と言えます。融資や助成金を検討する前に、まずはファクタリングを検討することをおすすめします。
弊社「えんナビ」では、ファクタリングを担当するスタッフ一人一人が金融のプロです。ファクタリング以外にも経営コンサルタント業も行なっておりますので、ちょっとした相談にも対応出来ます。また、他のファクタリング業者と違い、24時間365日受付対応しております。急な資金調達にも素早く対応可能ですので、いざというときにはぜひご相談ください。