ファクタリングの審査に落ちたら?再申込前に見直すことと資金繰りの対処法

ファクタリングの審査に落ちてしまったときは、別の会社へ急いで申し込む前に資金ショートまでの日数と、対象にした売掛債権・書類のどこが問題になったのかを改めて見直す必要があるでしょう。

審査が落ちてしまったこと自体は、自社の経営そのものを否定されたという意味ではありません。会社ごとに審査の判断は異なります。

ただし同じ請求書を何社にも出したり、事実と異なる説明で不足を埋めたりすると、資金繰りだけでなく取引上の問題まで大きくなります。

  • 最初に行うことは、支払期限と不足額を日付ごとに出すこと
  • 再申込前は、売掛先・売掛債権・書類のどこに理由があるかを分けること
  • 資金調達は、実在する売掛債権の資金化だけでなく、支払条件の相談や融資制度も並行して考えること

審査に落ちた直後は、再申込より先に資金繰りの期限を出す

必要なのは「どこなら通るか」を急いで探すことではなく、いつまでに、いくら足りなくなるのかを数字で出すことです。

審査に落ちた直後は、手元資金が減っていることへの焦りから、別の会社へ同じ内容をすぐ出したくなるかもしれません。

実際それは1つの方法でもあります。

しかし不足額と支払日が分からないまま申し込むと、条件の悪い契約で提案されてしまう、もしくはそもそも拒否されてしまう可能性があります。

まずは今週と来週の入出金を日付順に並べます。資金が足りる日と足りなくなる日を分けてから、資金調達が必要な額と期限を決めます。

今週・来週の支払いを日付順に書き出す

資金繰り表は難しい会計資料である必要はありません。

口座残高から始めて、入金予定と支払予定を日付ごとに並べます。

  • 現在の預金残高
  • 売掛先ごとの入金予定日と金額
  • 給与、外注費、仕入れ、家賃、返済、税金などの支払予定日と金額
  • 支払期日を動かせるものと、動かせないもの

この表があれば、「明日までに不足するのか」、「数週間の余裕があるのか」を目視で判断できます。入金予定額だけを見ず、実際に口座から出る日まで確認しましょう。

申込先へ聞く内容を、原因の特定に使う

審査理由がはっきり伝えられていない場合は、再申込できるかだけを聞くのではなく、次の3点を事務的に尋ねます。

  • 追加資料で判断が変わる余地があるのか
  • 今回の売掛債権では扱いにくい条件があったのか
  • 同じ債権を再度申し込む前に、避けるべき手続きがあるのか

回答が得られなくても、提出した書類とメールのやり取りを残せば、次の相談先に状況を正しく説明しやすくなります。

同じ売掛債権がすでに契約済みでないかを先に確定する

申込みを取り下げたつもりでも、契約の成立時点や取消方法は書面ごとに異なります。対象の請求書について、契約書、電子契約、申込完了メールを見返し、譲渡契約が成立していないことを先に確かめます。

すでに譲渡した売掛債権を別の会社へ出すことや、契約の有無を曖昧にしたまま申し込むことは避けてください。二重譲渡や事実と異なる説明の問題は、資金調達を急ぐほど起こりやすくなります。

審査落ちの原因は、売掛先・売掛債権・書類に分けて考える

「自社の経営が厳しいから落ちた」と決めつけず、今回申し込んだ売掛債権の回収見込みと、提出資料に書かれた取引内容を分けて見直します。

ファクタリングの審査に落ちたときは、理由を自社の経営状態だけに決めつけない方がよいでしょう。

今回申し込んだ請求書について、売掛先から過去に入金があったか、請求額と支払期日が契約書や発注書と合っているか、通帳に同じ売掛先からの入金履歴があるかを確認します。

どこで説明が止まるのかが分かれば、書類を訂正して再度相談するのか、別の実在する売掛債権を検討するのか、ファクタリング以外の資金調達を急ぐのかを選びやすくなります。
初めて申し込む前の審査基準や、必要書類の準備は、「ファクタリングの審査基準」で詳しく説明しています。

売掛先の支払いに不安がある場合

取引を始めたばかりで、通帳に同じ売掛先からの入金がほとんどない場合は、今回の請求がいつ支払われる予定なのかを過去の入金実績だけでは示せないでしょう。

請求先が以前と変わっている場合も、請求書の宛先と契約書に書かれた取引相手が一致しないことがあります。変更の経緯を示せる発注書、メール、契約変更の書面があれば、実際の取引内容を説明しやすくなります。

同じ請求書での再申込が難しい場合に限り、別の売掛債権を検討します。対象にするのは、商品を納めた、または依頼された仕事を終えたうえで請求済みの売掛金です。請求書の金額と支払予定日を示せて、まだ他社に譲渡していないものを選びます。

支払期日を過ぎても入金がない売掛金は、いつ回収できるのかを説明しにくくなります。この場合は資金化を急ぐ前に、取引先へ未入金の理由と支払予定日を確認します。

売掛債権の取引実態を示しにくい場合

請求書があったとしても、どの契約やどの発注に基づく請求であるのかが示せなければ、相手に説明しにくくなるでしょう。

特別な書類を新たに作るのではなく、実際の取引で残っている資料を時系列に並べます。

  • 基本契約書、個別契約書、発注書
  • 納品書、検収書、作業報告書
  • 請求書
  • 過去の入金履歴が分かる通帳

取引の形によってはすべての資料がそろわないこともあるでしょう。その場合は何がないのかを隠さず、代わりに取引実態を示せる資料があるかを考えます。

請求書・通帳・契約書の内容が合っていない場合

書類の不備には、誤字や入力漏れのように事実を正すだけで済むものがあります。一方で、請求金額、支払期日、取引先、納品内容を実際と違う形に変えてはいけません。

見直す箇所は具体的です。請求書の売掛先名と通帳の入金名義、請求額と過去の入金額、支払期日と契約書の支払条件、契約相手と請求先の関係を一つずつ照らします。食い違いがある場合は、正しい資料をそろえ、理由を事実どおりに説明します。

再申込は、原因を直せる場合だけ検討する

別の会社へ申し込むこと自体が解決策になるわけではありません。今回の審査で説明できなかった点を直せるか、別の実在する売掛債権があるかで分けます。

再申込を急ぐときほど、同じ請求書を複数社へ出す前に、対象債権と提出内容を一度確定させます。売掛先の信用力や債権の性質が理由なら、書類の見せ方だけを変えても解決しません。書類の誤記や不足が原因なら、事実を正したうえで再度相談できる余地があります。

資金化が必要でも、売掛先に知られる可能性、手数料を差し引いた後に残る金額、契約後の流れまで見て選びます。

別の売掛債権を出せるのは、取引実態がある場合だけ

売掛債権が複数あるなら、納品または役務提供が終わり、請求済みで、支払期日と入金先が明確な債権を候補にします。まだ請求できない将来の売上や、入金見込みがあいまいな債権を、今回の不足額に合わせて作ることはできません。

また、過去に申し込んだ債権と別の債権であっても、取引先名、請求額、入金期日、譲渡済みでないことを一覧にして説明できる状態にしておくと、話が食い違いにくくなります。

見積もりでは、受取額と契約後の負担を言葉にして確認する

再申込先を比べる場面では、審査に通るかどうかだけで決めません。見積もりを受けたら、次の点を文書で示してもらいます。

  • 手数料などを差し引いた後の受取額
  • 振込予定日と、当日に間に合わない場合の扱い
  • 売掛先から入金された後に自社が行う対応
  • 売掛先が支払わない場合に自社負担が生じる条件
  • 解除、買戻し、違約金に関する条件

金融庁は、形式上は債権譲渡契約であっても、実態によって貸付けに当たるおそれがある取引や、高額な手数料によって資金繰りが悪化するおそれに注意を促しています。契約内容を急いで決めず、受取額と負担を並べて比べてください。

ファクタリング会社の比較基準や、避けたい契約の見分け方は、「優良ファクタリングの見分け方と安全な会社の選び方」で詳しく説明しています。

書類の誤りは正し、虚偽や偽造で埋めない

審査に落ちたときに直してよいのは、誤記や提出漏れなど事実を正確にする部分です。存在しない取引を加えたり、金額や日付を実態と違う内容に変えたりしてはいけません。

資金繰りが厳しい場面では、書類を整えれば状況を変えられるように感じることがあります。しかし、取引の事実を変える行為は、審査を通すための準備ではありません。契約上のトラブルや法的な問題につながる可能性があります。

誤記を見つけたときは、元の資料、訂正理由、正しい内容を残したうえで、提出先に事実どおり伝えます。

訂正できる不備と、してはいけない変更を分ける

訂正の対象になり得るのは、入力ミス、添付漏れ、古い会社情報の提出などです。訂正後も、取引先、金額、支払期日、納品内容が実際の取引と一致していなければなりません。

次のような対応は、書類の不足を補う方法ではありません。

  • 実在しない請求書、発注書、入金履歴を作る
  • 請求額や支払期日を実際と違う内容に変える
  • 同じ売掛債権を譲渡済みでないように説明する
  • 取引先と事実と異なる説明を合わせる

書類の偽造、架空債権、二重譲渡に関するリスクと、すでに提出してしまった場合の初動は、「書類偽造でファクタリングすると犯罪になる?」で扱っています。

ファクタリング以外に、資金ショートを避ける選択肢を並べる

審査落ち後の資金繰りは、ファクタリングの再申込だけで考えません。支払日の調整、入金回収、既存の取引金融機関への相談、公的な融資制度を、必要な日までの長さで並べます。

明日までに支払いがある場合と、数週間から数か月を立て直したい場合では、選ぶ手段が変わります。補助金のように入金まで時間がかかるものを、目の前の支払いに充てる前提で考えるのは危険です。

資金繰りの悪化が一時的なのか、毎月の収支が赤字なのかも分けます。短期の不足を埋めても、翌月にも同じ不足が出るなら、返済や支払条件を含めた計画が必要になります。

支払先・売掛先との条件調整

支払日より前に、仕入先や外注先へ支払予定と分割の可否を相談する方法があります。売掛先に対しては、請求漏れや検収待ちがないかを確認し、入金予定日がずれているなら理由と確定日を把握します。

ここで必要なのは、支払いを放置することではありません。いつ、いくらなら支払えるかを資金繰り表に落とし、早い段階で相手と話せる状態にすることです。

融資制度や取引金融機関への相談

入金までに余裕があり、一時的な業況悪化や取引条件の変化が背景にある場合は、融資制度を検討できることがあります。日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金は、一定の要件を満たす事業者を対象に、運転資金などを扱う制度です。利用可否や審査結果は個別に決まります。

融資を相談するときは、決算書だけでなく、いつ不足するのかを示す資金繰り表と、売上減少・原価上昇・回収条件の変化などの事情を用意すると、必要額と返済の見通しを説明しやすくなります。

継続的に不足するなら、公的な経営相談も使う

毎月の支払いが売上入金を上回る状態なら、単発の資金調達だけでは解決しません。中小機構は、中小企業活性化協議会による収益力改善・事業再生などの支援を案内しています。税理士など普段の専門家と並行して、資金繰り表をもとに相談先を増やす方法もあります。

売掛債権があり、資金繰りを急ぐ場合の相談準備

実在する売掛債権があり、支払日までに資金が必要な場合は、事情を大きく見せるより、売掛先・請求額・入金予定日・書類の有無を事務的に伝える方が条件を比べやすくなります。

相談前に、希望入金日と必要額を決めます。そのうえで、どの請求書を対象にするのか、過去にその売掛先からどのような入金があったのかを準備します。審査に落ちた経緯があるなら、提出済みの資料と事実関係を隠さず伝えてください。

即日対応の可否は、申込時間、必要書類、契約、振込の手続きで変わります。「即日」と書かれていても当日着金を意味するとは限りません。

相談時に伝える項目

  • 希望入金日と必要額
  • 売掛先名、請求額、入金予定日
  • 請求書、通帳、契約書、発注書、納品書など用意できる資料
  • 過去に同じ債権を申し込んだか、契約済みか
  • 手数料を差し引いた後に必要額を満たすか

売掛金の入金前に支払いが迫り、実在する売掛債権をもとに条件を比べたい場合は、資金繰りの状況を整理したうえで相談できます。

即日の資金化を検討する場合でも、審査落ちの原因を整理してから候補を比べる方が、同じ説明の繰り返しを減らせます。受付時間や当日着金の条件は、「即日ファクタリング比較」で確認できます。

ファクタリングの審査落ちでよくある質問

審査に落ちた後は、通る会社探しを先に進めるより、対象債権の状態と資金繰りの期限を分けて把握する方が、次の選択を誤りにくくなります。

審査の基準や契約条件は会社ごとに異なります。聞ける範囲の理由を把握し、提出した書類と契約の有無を事実どおりに並べることが出発点です。資金不足が続く場合は、再申込の可否だけでなく、支払先との調整や融資制度も同時に考えます。以下では、再申込と資金繰り対応で混同しやすい点を短くまとめます。

ファクタリングの審査に落ちたら、すぐ他社へ申し込んでもよいですか?

今回の審査で何が不足したのかを確かめず、同じ請求書をすぐ複数社へ出すことはおすすめしません。書類の誤記や不足なら、事実を正してから再度相談できることがあります。売掛先や債権自体の事情なら、別の実在する売掛債権があるか、別の資金調達手段を考えます。

書類の不備を直せば、必ず再申込できますか?

必ず再申込できるわけではありません。訂正できるのは、事実にもとづく入力ミスや添付漏れです。取引内容そのものに関する判断や、売掛先の回収見込みは、書類を追加しても変わらない場合があります。

審査落ちの理由を教えてもらえない場合はどうしますか?

提出資料と申込時の説明を時系列で並べ、売掛先、売掛債権、書類に分けて見直します。不明点は、追加資料で検討できるか、対象債権の条件に理由があるか、再申込前に避けるべき手続きがあるかを尋ねます。

資金調達を急ぐとき、ファクタリング以外に何を考えますか?

支払先との条件調整、売掛先からの入金確認、取引金融機関や日本政策金融公庫の融資制度などを、支払日までの時間に合わせて検討します。毎月の不足が続く場合は、資金繰り表をもとに公的な経営相談や専門家への相談も並行させます。

審査落ちの後は、資金繰りの期限から立て直す

ファクタリングの審査に落ちたことだけを見て、次の申込先を急いで決める必要はありません。

先に支払日と不足額を出し、今回申し込んだ売掛債権のどこに説明しにくい点があったのかを確認します。書類の誤記や不足なら事実を正します。実在しない取引や二重譲渡、事実と違う説明で埋めることは避けてください。

売掛債権があり、資金化を検討する場合も、手元に残る金額と契約後の負担まで比べます。短期の不足を埋める方法と、毎月の資金繰りを立て直す方法を分けると、次に取る行動が見えやすくなります。

参考・出典

今回の記事では、ファクタリングの契約上の注意点と、資金繰りが悪化した場合の融資・経営相談に関する説明を、以下の公的機関の情報をもとにしています。ファクタリング会社ごとの審査基準、再申込の可否、手数料や入金時期は一律ではないため、公式根拠がない数値や通過率は記載していません。

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