手形割引の割引率の相場と計算方法 低コストで資金調達できる手形割引業者の選び方

手形割引の割引率の相場と計算方法 低コストで資金調達できる手形割引業者の選び方
 
 
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手形割引の割引率は手形割引を行っている金融機関や専門業者によって異なります。

そもそもですが、手形割引における「手形割引率」とは「金利や利息」と同じ意味合いです。

 

手形割引の割引率について
「割引率」という言葉を使われるとわかりづらいが、「利息・金利・手数料」のようなものだ。
割引率が低い方が、より多くのお金を調達することができる。

 

手形割引率は利用する場所によって異なります。金融機関であれば1.5%~5.5%、専門業者であれば3%~19%前後が相場といえます。金融機関は割引率は低いのですが時間がかかってしまいがちです。業者は割引率は高めではありますがスピーディーです。

まず手形割引についてですが、手形に書かれている金額の支払日よりも前に手形を利用して資金調達する方法のことです。その際には割引率、つまり手数料が発生します。

この手数料は割引く金融機関や業者によって異なってきます。また資金調達までにかかる時間も異なってきます。

今回は手形割引率の相場、計算方法、割引手数料が低い業者や優良業者の選び方についてまとめていきます。

参照 手形割引で資金調達 銀行や専門業者で支払期日前に手形は換金可能

 

手形割引の割引率とは融資でいうところの「利息」である

そもそも手形割引率とは、融資(借金)でいうところの「利息」と同じ性質をもつ手数料のことです。

手形割引とは手形を担保にした融資のようなものです。よく手形割引は手形を売却するものだと表現されることがあります。しかし売却した手形が不渡りが起こしそうな場合には、売却した先から買戻しを要求されます。つまり手形割引によって(手形を売却したことによって)得た資金を返さなければならないのです。

このようなことがあるため、手形割引は手形を売却するわけではなく、手形を担保として融資を受けるという表現の方がしっくりくると思います。

参照 換金できるが融資を受けているのと同じ

 

とはいえ、手形割引をしたことにより月々の返済が発生することはありません。

その面からしてみると、支払期日前の売掛金(売掛債権)を専門業者に買い取ってもらうことで資金を調達する「ファクタリング」に性質が似ているといってもよいでしょう。このようなことから、手形割引とファクタリングは似ている資金調達方法として比べられることが多いです。

参照 ファクタリングでの資金調達が人気の理由 借金をしないで資金ショートを解決

 

すべての金額を資金化することができるわけではない

手形割引では手形に書かれている金額のすべてを資金化することはできません。

理由としては前述しているように手形割引率、そしてそれに加え手数料を支払うことになるためです。

手形割引をしてくれる手形割引人は慈善事業ではありません。利益を得なくてはなりません。その利益となるのが、手形の額面金額から得られる手数料となるのです。

 

手形割引で調達できる金額
おおよその数字だが、額面が100万円の手形を手形割引したとする。手形の期日が2カ月後で割引率が10%とする。すると大体98万円ほど資金調達することができる。そして期日が長ければ長いほど、調達できる金額は少なくなっていく。

 

手形割引料を計算してみましょう

手形割引で資金を調達する際、重要になるのが手形割引率です。

手形割引率とは手形の額面金額(手形に書かれている金額)に対して、いくらのコストで資金化できるかを決める値です。

しかし手形割引率がそのまま手形割引で発生する手数料にはなりません。取立手数料や印紙代などの手数料などが上乗せされた金額が差し引かれてしまいます。

手形割引率は以下の計算式で導き出せます。

  • 手形割引料
    = 手形の額面金額 × 手形割引率 × 支払期日までの日数 / 365日
  • 手形割引手数料
    = 手形割引料 + 取立手数料 + その他手数料
  • 手形割引で調達できる資金額
    = 手形の額面金額 - 手形割引手数料

その他の手数料には以下のようなものがあります。

  • 印紙代
    手形割引の契約書(約定書ともいう)を交わす上で必要な印紙代
  • 調査料
    振出人の調査を行なうための費用のことで無料になっている業者もある
  • 事務手数料
    手形割引に伴う手数料。無料になっている業者もある。
  • 配達料
    手形割引人の事務所が遠方にある場合の出張費用など。

割引人によって手数料の名目が異なる場合もありますが、おおむね上記の手数料が発生すると考えておくとよいでしょう。

手形割引率の相場は割引人によって異なる

手形割引の割引率の相場と計算方法 低コストで資金調達できる手形割引業者の選び方

手形割引率には相場があり、手形割引人によって割引率は異なります。

ちなみに手形割引率はの相場は手形額面の1.5%~20.0%が相場とされています。手形割引は形としては融資と同じ性質をもつ資金調達方法となるため、利息制限法が適応されることとなり利息の上限値が定められています。

利息制限法とは金銭の貸借における利息の最高利率を規制した法律のことです。

利息制限法による上限金利
  • 100万円以上→年率15%
  • 10万円以上→年率18%
  • 10万円未満→年率20%

参照 利息制限法(e-GOV法令検索)

 

金融機関と割引業者では15%以上の差が発生することもある

手形割引で資金を調達できる業者を総称して手形割引人と呼んでいます。

銀行や信用組合のような金融機関、ノンバンクの手形割引業者などが手形割引人に該当します。金融機関とノンバンクの手形割引業者では資金力も異なるため、割引率も異なりますが、じつは金融機関の中でもメガバンクや地方銀行、信用組合や信用金庫同士でも割引率が異なるのです。

5種類の金融機関
  • ノンバンク
    金融機関ではない貸金業を総称してノンバンク(NON BANK)といいます。銀行とは異なる信用貸を行なっているのが特徴です。
  • メガバンク
    巨大な収益規模や資産を持っている銀行グループのこと。日本では三大目がバンクとして、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行がある。
  • 地方銀行
    メガバンクではない普通銀行のこと。全日本銀行協会に所属している銀行をさす。
  • 信用組合
    組合員が所有権をもつ金融機関で銀行と同じ金融サービスを行なう団体のこと。生協のように出資金が運営に使われている。
  • 信用金庫
    信用金庫法によって設立された法人で銀行と同じ金融サービスを行なう団体のこと。信用組合との違いは経営者がいる点。

ネット上の手形割引業者比較サイトを見てみると、それぞれで手形割引率が異なっているのです。金融機関をメガバンクと地方銀行、信用組合と信用金庫でわけて一覧表にしました。

メガバンク1.5%~3.0%
地方銀行2.0%~3.5%
信用金庫2.5%~4.5%
信用組合3.5%~5.5%

メガバンクの最低割引率1.5%と信用組合の最高割引率5.5%の差は4.0%です。1億円の手形割引を依頼する場合、メガバンクでは150万円、信用組合では550万円の手数料が発生するということになります。

一方、ノンバンクの手形割引業者の場合、業者によって手形割引率は異なります。手形割引業者のホームページに記載してある手形割引率をいくつか比較してみましょう。

日栄倉庫株式会社3.5%~7.0%
株式会社日本保証3.9%~18.0%
株式会社日証3.0%~19.2%
株式会社大黒屋3.3%~14.8%

日栄倉庫株式会社の7.0%と日証の19.2%では、12.2%もの差が発生しています。このように手形割引をどこで行うのかによっても手形割引率は大きく異なるのです。

 

ケースバイケースで手形割引業者を選んだ方がよいだろう
もし資金調達を急いでいるのであれば、多少割引率が高くてもすぐに対応してくれる業者を選ぶべきだろう。ケースバイケースだ。

 

手形割引の割引率は審査によって決められている

手形割引の割引率は「審査」によって決められています。

銀行融資などの審査は「融資決定の合否」や「利率」などを申込んだ会社の経営状況によって判断するための審査です。対して手形割引率の審査は、手形の振出人が不渡りにならないかどうかを審査します。

いくら自分の会社の経営状況が悪くても、手形振出人の会社の経営状況に問題が無ければ、資金調達しやすいのが手形割引のメリットでもあるのです。逆にいくら自分の会社の経営状況が良かったとしても、手形振出人の会社の経営状況に問題があれば資金調達は難しくなってしまうのです。この辺りもファクタリングに似ている点でもあります。

 

手形割引率が低い業者を選んだ方がよいだろう。
なるべく手形割引率が低いところを利用したいところだ。
ただし、基本的には最低利率が適応されることはないと考えたほうがよい。手形ン額面が大きな金額であればあるほど、割引率は低くなりやすい。大きな金額というのは数千万円~数億円レベルの話だ。

 

低コストで利用できる手形割引業者3選

手形割引手数料が比較的安価で利用者評価も高いノンバンクの手形割引業者を3社ご紹介します。

日栄倉庫株式会社

福岡県にある手形割引業者です。ノンバンク系の手形割引業者としては手数料がかなり低いことが特徴です。

手数料(年利)3.5〜7.0%
会社住所〒810-0011  
福岡市中央区高砂2-6-2 ニチエイ高砂ビル
※全国対応可能
電話番号・FAX番号TEL:092-522-7161
FAX.092-531-7164
財務局認可福岡県知事(11)第00003号 
日本貸金業協会会員第001560号
公式サイトhttps://www.nichieisoko.co.jp/

株式会社大黒屋

手形割引の老舗業者です。国税庁長官表彰や財務大臣表彰を受けている日本でもトップクラスの人気がある業者です。申し込んだ当日に資金調達ができるなどスピードに定評のある業者でもあります。

手数料(年利)3.3%〜14.8%
会社住所〒856-0827 
長崎県大村市水主町2丁目623番地1
※全国対応可能
電話番号・FAX番号TEL:0957-53-1168
FAX:0957-54-1585
財務局認可長崎県知事(11)00056号 
日本貸金業協会会員 第000513号
公式サイトhttps://www.dai-kokuya.co.jp/

株式会社日証

スマホやパソコンからオンラインで申込が可能で、見積もりも60分以内と緊急で資金を調達したい場合にオススメな業者です。手形割引1件につき最大で1億円までの手形額面に対応しているのも特徴です。

手数料(年利)

3.0〜19.2%(実質年率3.1%~20.0% )

※最大1億円まで手形に対応

会社住所〒542-0083 
大阪市中央区東心斎橋1-9-24
※全国対応可能
電話番号・FAX番号TEL:06-6271-5500
FAX:06-6271-5550
財務局認可日本貸金業協会会員 会員番号 第000035号
各都府県商工会議所会員
全国事業者金融協会会員
公式サイトhttps://www.e-nissho.co.jp/

手形割引率を抑えたいならば業者比較がオススメ

手形を低コストで資金化を考えているのであれば、あらかじめ手形割引率の計算方法を使い、業者比較をしておくとよいでしょう。

無料見積もりなどで具体的な手形割引手数料を提示してくれる業者は多いです。また銀行などの金融機関の場合には、取引実績などで手形割引手数料が変動することもあります。

さらに手形を使った資金調達方法は手形割引だけではありません。手形貸付などもあるため、自社の経営状況に合わせて適切な資金調達方法を選択するとよいでしょう。

参照 約束手形を現金化するための3つの方法 銀行取立・手形割引・手形貸付

 

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株式会社デキタ 渡邉
株式会社デキタの代表取締役。資金調達に関する知識を身に付けるために「ファクタリングで資金調達デキタ!」を制作・運営。その延長線上で、事業者の利用する資金調達方法に焦点を当てた当サイトを企画・制作・運営。 資金調達に関する記事執筆は2018年より開始。複数の税理士やファイナンシャルプランナーと交流しながら、記事執筆をつづける。