緊急の資金調達方法として注目されているのが「ファクタリング」です。しかしネットや広告などで「債権売却」「即日ファクタリングOK!」といった文言を目にしても、実際に利用するまでには至らない企業も多いのが現状です。売掛債権で損をしないために目的別でファクタリング会社を選ぶことが重要です。
しかし、ファクタリング会社にも【相性】があります。自分の会社に合ったファクタリング取引を行なわなければ、結果的に損をしてしまう場合も。そこで重要になってくるのが、損をしないために自社を相性の良いファクタリング会社を利用するという方法です。
損をしないファクタリングとは?
ファクタリングを利用する際、最も重要なのは損をしない資金調達をすることです。そのためには、ファクタリングにかかる費用や仕方を知っておくことが重要です。
手数料と掛け目次第では大損する可能性も
ファクタリングを利用する際に必要となる費用として、
- 着手金
- 事務手数料
- 収入印紙
- 債権譲渡費用(2社間ファクタリング)
などが発生します。着手金はほとんどのファクタリング会社は不要ですが、コンサルタントや税理士などを利用した場合は請求されます。これらをまとめて、ファクタリング会社は【手数料】として設定しているのです。
ファクタリング会社によってファクタリングの方法が違いますが、ファクタリングにおける手数料は、
- 3社間ファクタリング:売掛債権の5%~10%
- 2社間ファクタリング:売掛債権の10%~30%
が相場の目安です。
2社間ファクタリングは、売掛先の承認を得ずに資金調達が可能な分、貸し倒れリスクが大きいため手数料が高くなっています。この手数料に加え、注意しなければならないのが【掛け目】です。掛け目とは、担保を取って融資をする時、担保価値に一定の割合を掛けて、融資額を決定する割合のことを指します。
売掛債権は確実に100%回収できるとは限りません。目減りしたり、時には回収不能となってしまったりする場合もあり、そのリスク回避のために掛け目が設けられています。売掛債権の掛け目の相場は90%~80%です。
例えば100万円の売掛債権に90%の掛け目でファクタリングをした場合
1,000,000×0.9=900,000
この掛け目分を差し引いた90万円に対し、手数料がかかります。この点に注意しなければ、実際の入金額が売掛債権の半額程度となってしまう可能性も出てくるのです。
業種毎に得意な債権が異なる
ファクタリングは、売掛債権を直接現金にできる資金調達の方法です。しかしファクタリング会社にいけば、どこの業者でも売掛債権を現金化できるというものでもありません。業種毎に資金化が得意なファクタリング会社もあります。
ファクタリングによく利用される売掛債権は、
など多くの業種があります。売掛金の回収が長期化する業種にファクタリングは有効です。
相性のよいファクタリング会社を選ぶコツは?
ファクタリング会社の数は、年々増加傾向にあります。ファクタリングでの資金調達が身近なものになることは、企業にとって大きなメリットです。しかし、ファクタリング会社とファクタリングの方法を間違えると、財務基盤を揺るがす恐れもあるのです。
取引実績と取引額で判断する
優良企業を判断する大きな要素として挙げられるのが、ファクタリング取引の実績です。ファクタリング会社の取引実績は、信用度の証といえます。継続して利用している企業が複数あるファクタリング会社は、それだけ多くの企業に信頼されていると判断できます。
ファクタリングは、一回の取引で終わる場合もあります。しかし、コンスタントではなくても、複数回継続してファクタリング を利用する企業も多いです。緊急の資金調達のために利用されるファクタリングですが、会社経営は何があるかわかりません。
元々の財務基盤が弱い企業は、ファクタリングを定期的に行なって財務状況の改善を行なっているケースも多いのです。
公式ホームページの取引例やお客様の声などが上位表示されている
インターネットの情報は簡単に入手可能です。ファクタリリング会社の名前を入力するだけで、即座に会社の評判や口コミを閲覧できます。ファクタリング会社によっては、公式ホームページを開設しています。
お客様の声や取引例は、ファクタリングを検討している利用者にとって重要な参考資料として活用できるのです。
専業特化型ファクタリング会社には悪徳業者が多い?
「早く資金化してほしい」
経営者の弱みにつけこみ、悪質な詐欺を働く業者いるのも事実です。その背景には、ファクタリング業界が法的な規制が少なため、詐欺集団が参入しやすいという事実があります。
債権額の大きな業種は特に注意
ファクタリングの金額が大きくなれば、手数料も比例して大きくなります。ファクタリング会社にとって、1つの売掛債権で高額の収入を得ることになるのです。悪徳業者の手口は巧妙で、相場より安価な手数料でのファクタリングが可能、といったうたい文句で売掛債権を1円でも高く買い取ってもらいたい企業の集客に繋げます。
悪徳業者の手口は、適当な見積りや後出しでの追加費用といった悪質な請求をしてきます。緊急の資金が必要な利用者の弱みに付け込むのです。悪質業者にとって高額な売掛債権を保有している申込企業は、一度に多額のお金を手に入れることができる格好の餌食といえます。
建設業などの高額売掛債権を常に扱っている業種がファクタリングを検討する場合は、特に注意が必要です。
安全な債権は医療・福祉業も内容のチェックは必須
安全な医療や福祉の売掛債権でも悪徳業者に狙われています。医療や福祉のファクタリングは、社会保険や国民健康保険に対しての売掛債権を譲渡するため、他の業種に比べると信用度は高いです。ファクタリングを利用して、新たに人材を増やしたり、新しい機器を投入したり、乱れたキャッシュフローを改善するようなために利用されています。
しかし、国が売掛先だから安全とは断言はできません。医療や福祉業も内容のチェックを必ずしておかなければ、緊急の資金調達ができない場合もでてきます。
相性のよいファクタリング業者は長く付き合うことも検討しよう
ファクタリングの認知度が上がり、多くの企業が利用するようになりました。それに伴いファクタリング会社の数も増加しています。ファクタリング業は、貸金業に該当せず金融庁の認可を受ける必要がないため、貸金業に比べると設立しやすいのです。法の壁の低さを悪用して、詐欺まがいの行為で利用者を食いものにしている悪徳業者が増えているのも事実です。
ファクタリング業者を比較する中で、優良業者なのかそれとも悪徳業者なのかを判断しなければなりません。初めから1社に決めるのではなく、複数のファクタリング会社を検討してください。その上で、信用できるファクタリング会社であると判断でき、長く付き合えるファクタリング会社と契約することをオススメします。