NP掛け払いはBtoB取引取引で利用されるサービスです。
通販サイトなどでよく見かける支払い方法に「NP後払い」があります。このサービスを提供しているのが株式会社ネットプロテクションズです。
そしてこの会社はNP掛け払いというサービスも提供しています。NP掛け払いとは、BtoB取引の請求代行や取引事業者の与信審査、保証業務を一括して行っているサービスのことです。
このサービスを利用することで、取引先の与信審査、代金の回収、代金の保証などを行なってもらうことができ、取引先から売掛金を回収する際に発生するであろうトラブルの心配をしなくても良くなるのが大きなメリットでしょう。
ここではNP掛け払いのサービス内容をわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
NP掛け払いの概要と特徴
NP掛け払いは株式会社ネットプロテクションズが提供している「未回収保証型」の請求業務代行サービスです。
与信から代金の回収、保証までをすべて代行してくれるほか、支払遅延や未払い、貸倒れ時の債権保証も行っています。
つまり取引先から売掛金を回収する際に起こり得るトラブルを未然に防ぐといった側面からすると、非常に大きな役割を果たしてくれるサービスであるといえます。
NP掛け払いの利用イメージ
NP後払いがBtoC向けのサービスであるのに対し、NP掛け払いはBtoB、事業者間取引向けのサービスです。利用イメージを見てみましょう。
画像引用元 公式ホームページ
もし買い手企業が代金の支払いをしない場合、ネットプロテクションズが代金の請求業務を行ってくれます。また、もし貸倒れになったしまった場合でも100%代金を保証してくれます。
6つのサービス内容
主に次の6つのサービスを提供しています。
- 取引先の与信管理
- 取引先への請求書の発行
- 代金回収
- 入金管理
- 支払催促業務
- 未回収リスクの100%保証
取引先の与信管理は、取引先が商品やサービスを購入する際にNP掛け払いを選択した段階でスタートします。与信管理とは取引予定の会社の状況を判断する審査のようなものです。取引を行っても大丈夫か、取引完了後には代金を支払う能力はあるのかを判断するのです。
与信審査は5分~2時間程度で行われ、取引先の与信情報に問題がなければすぐに利用が可能となります。
たとえば今までに、取引先からの代金回収でトラブルを経験したことがある事業者もいることでしょう。取引先への催促業務は精神的な負担になるものです。しかしこのサービスを利用することで、それらをすべて代行してもらうことができるのです。
これまでの同じようなサービスの場合、とくに少額のBtoB取引が多い中小零細企業の場合でば、代金請求代行や代金回収代行といったサービスを利用する際には、依頼はコストが高くつため利用頻度はそれほど高くなかったことでしょう。
ところがNP掛け払いは、月額で12,000円からサービス導入が可能となるため、低コストで利用できると言った面で中小零細企業を中心に注目を集めているのです。
NP掛け払い導入から代金入金までの流れ
NP掛け払いの導入から、実際に代金入金までの流れについてお話しします。
サービス導入までの流れ
まずはサービス導入から見てみましょう。サービス導入までは5つのステップで申し込みできます。
- 株式会社プロテクションズによるヒアリング
- 申し込み事業者の利用料金の提案と承諾
- 申込フォームへの入力と必要書類の提出
- 加盟審査の実施
- サービススタート
商材やサービスの種類によっては利用できない場合があります。
サービス利用料は申込事業者ごとに異なります。初期導入費用は0円ですが、手数料が取引先から支払われるべき売掛金の1.2%~3.6%必要となってきます。さらに月額の固定費として最低12,000円が発生します。
とは言ってもこれだけのサービスをこの手数料で利用できるのは大きなメリットでしょう。ただし事業者によって固定費が変動するため、利用検討時には確認しておくとよいでしょう。
次に申し込みフォームに入力し必要書類を提出します。
必要書類は以下の3点です。
- 登記簿謄本
- 履歴事項全部証明書
- 印鑑証明書
書類はスキャンしデータとして送信します。
加盟審査は10日前後かかります。注意点ですが、取引先が個人事業主でも利用可能ですが、利用する側としては個人事業主は利用はできません。
そして審査通過後から利用が可能となります。
導入後~入金までの流れ
NP掛け払い導入後から実際に取引先へ請求し、入金されるまでの流れについてお話しします。
入金までは7つのステップで進みます。
- 取引先からの注文受付
- 取引先情報の登録
- 取引先の与信審査の実施
- 審査通過後商品またはサービスを提供
- 管理画面から請求書を発行
- NP掛け払いから取引先へ請求書を発行・送付
- 翌月10日に入金
取引先から注文を受付け、取引先が「NP掛け払い」を選択することでサービスが開始されます。
まずは取引先情報をNP掛け払いの管理画面から入力しましょう。その後、株式会社ネットプロテクションズが入力された情報を元に取引先の与信審査を行います。
審査が通過してから、取引に対し商品もしくはサービスを提供してください。もし取引先が与信審査で落ちてしまった場合には、サービスの利用をすることができません。
商品またはサービスを提供後に、NP掛け払いの管理画面から請求書を発行(作成)します。するとNP掛け払いから作成された請求書が取引先へ送付されることになります。取引先は月末までにネットプロテクションズに代金を支払うこととなり、ネットプロテクションズは翌月の10日に事業者へ入金することになります。
入金サイクルが最長でも40日に設定されるため、支払サイトの長さが原因で資金繰りに困っている事業者にとっては嬉しいサービスといえるでしょう。
NP掛け払いのメリットとデメリット
NP掛け払いは便利である反面、デメリットもあります。
ここではメリットとデメリットについてお話しします。
NP掛け払いのメリット
NP掛け払いの主なメリットは次の5つです。
- 未回収リスクを100%保証される
- 支払遅延が解消される
- 早期支払いにも対応可能
- 取引先が個人事業主の場合でも利用可能
- 銀行振込・口座振替・コンビニ払いに対応している
たとえばもし取引先が代金支払い前に倒産してしまった場合でも、NP掛け払いを利用していれば代金が100%保証されます。いわゆる保険のようなものです。
また、翌月の10日に取引先が代金を支払っていなかったとしても、NP掛け払いを利用していれば代金を立て替えて入金してくれます。さらに早期支払いにも対応しており、運転資金を確保したいときにも便利です。
買い手側の支払いについてですが、銀行振込、口座振替、コンビニ払いに対応しています。少額の取引代金であれば、手数料がかかる銀行振込や口座振替よりも、手数料がかからないコンビニ払いの方が取引先の利便性も高くなるでしょう。
NP掛け払いのデメリット
NP掛け払いのデメリットは「利用上限額があること」と、「個人事業主が利用できないこと」です。
利用上限
取引先1社につき最大で月300万円までの保証となります。
300万円以上の取引である場合には、NP掛け払いを利用することができません。
個人事業主の利用
取引先が屋号持ちの個人事業主に限り利用が可能です。売り手側として個人事業主はNP掛け払いを利用できません。この辺りはややこしく感じるかもしれません。
買い手側としては屋号がある個人事業主に限り利用することができます。屋号ありの個人事業主とは「〇〇食堂」や「〇〇修理工場」のような事業者のことです。個人事業主として本名で登録している場合にはNP掛け払いが利用できません。
もし買い手側のNP掛け払いを個人事業主として利用したい場合は、所轄の税務署へ行き、屋号登録の申請が必要となります。
NP掛け払いは中小零細企業のBtoB取引向けのサービス
NP掛け払いは中小零細企業のBtoB取引向けのサービスです。
代金の未回収リスクを担保できるほか、回収代行や催促業務を低コストで代行してもらえるため、精神的な負担も軽減されることでしょう。
また早期回収にも対応しており、資金繰りにも余裕を持たせやすくなります。ある意味、資金調達方法としても活用することができるのです。
掛け払いサービス業者は近年徐々に増えています。NP掛け払いは比較的導入しやすいサービスといえます。事業の資金繰りを円滑にさせられるほか、取引先のリスクヘッジも可能となります。BtoB取引にリスクを感じているのであれば、利用の検討をしてみてもよいかもしれません。