不動産鑑定士の資格で稼ぐ 年収は高く幅広い分野で活躍可能

 
 
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不動産鑑定士とは、その名前の通り、不動産の鑑定評価を行なうために必要な資格です。日本三大国家資格とも言われている難関資格でもあります。

不動産鑑定士以外の日本三大資格は次の2つです。

  • 司法試験
  • 公認会計士

弁護士や検察官、裁判官に必要な司法試験や公認会計士資格と同等の難度と言われています。不動産鑑定士は宅地建物取引士資格と混同されがちです。

ですが実際は不動産鑑定士の方が難易度は上です。司法試験や公認会計士に比べて取得しやすさはあるものの、取得難度の高い資格と言えます。

不動産鑑定士はその特殊性から司法試験や公認会計士資格に比べて受験者数が少ない資格です。

資格名令和3年度受験者数/合格者数/合格者割合
不動産鑑定士809名/135名/16.68%
司法試験3,754名/1,421名/37.85%
公認会計士14,192名/1,360名/9.6%

参考元:国土交通省:令和3年不動産鑑定士試験(論文式試験)合格者の発表
参考元:法務省:令和3年司法試験の合格発表について
参考元:公認会計士・監査審査会:令和3年公認会計士試験の合格発表について

つまり、不動産鑑定士は資格さえ取得してしまえば、稼げる環境が整っていると言えるでしょう。

この記事では不動産鑑定士資格の取得方法や取得後の稼ぐ方法、独立する場合に立ちはだかる資金問題についてお話していきたいと思います。

不動産鑑定士の資格取得方法

不動産鑑定士資格を取得するためには国土交通省土地鑑定委員会が実施している国家試験に合格してから、国土交通省の不動産鑑定士名簿に登録される必要があります。

試験合格後に自動的に不動産鑑定士を名乗れるわけではありません。資格取得後に不動産鑑定事務所などに所属して実務修習、修了考査に合格する必要があります。

修了考査に合格してはじめて不動産鑑定士として登録されます。

不動産鑑定士資格取得に必要な費用

不動産鑑定士資格取得に必要な費用は3つのステップで必要になります。

  1. 1.教育機関受講費用
  2. 2.受験費用
  3. 3.実務修習費用

それぞれどのぐらいの費用がかかるのかお話していきます。

1.教育機関受講費用

不動産鑑定士資格に必要な費用は勉強方法によって異なります。難関な国家資格であることから、専門学校や通信教育を利用する人がほとんどです。自分で参考書などを購入して学習することも可能ですが、司法試験や公認会計士のように多くの参考書があるわけでは無いため、仕事をしながら資格専門学校に行く人が多いようです。

資格専門学校の場合、費用は専門学校によって異なるものの、1年間で30万円~50万円程度がかかります。専門学校の場合は1年~3年程度かけて学習するため、総額では90万円前後~150万円前後かかるということです。

不動産鑑定士資格取得を目的にした大学や短大もあります。1年間の費用は120万円~180万円とかなり高め。社会人になってから大学に入りなおすとなると、学習費用以上の費用と時間がかかってしまうでしょう。

通信教育もあります。初心者向けコースなどの受講コースによって費用は異なります。相場としては30万円前後~100万円前後です。通信教育の場合は自分で学習時間を管理したり、試験対策をしたりする必要があるため、専門学校や短大、大学に比べて長期間かかる可能性が高いでしょう。

2.受験費用

受験費用は書類申請と電子申請で若干異なります。

司法試験の受験費用が17,500円(予備試験)と28,000円(本試験)の計45,500円。公認会計士の受験費用が19,500円です。不動産鑑定士試験は、日本三大国家資格の中では若干安くなっていることがわかります。

3.実務修習費用

不動産鑑定士試験に合格後は実務修習を受ける必要があります。実務修習でかかる費用は3
種類あります。

  • 実務修習料金:361,000円
  • 実地演習料金:上限736,600円
  • 修了考査費用:30,000円
  • 計:112万7,600円

実務修習料金は公益財団法人日本不動産鑑定士協会へ支払う費用のことです。

実地演習料金は実務修習を行なう不動産鑑定士事務所によって異なるものの、上限金額が法律で定められています。

修了考査の受験費用も発生します。

以上3つの費用のトータルが112万7,600円になりますが、あくまでも上限値であるため、実地演習を行なう事業者によって下がることもあるでしょう。

不動産鑑定士資格を受けられる場所

不動産鑑定士資格の受験会場は短答式試験と論文式試験で異なります。

短答式試験は以下の9箇所で行なわれます。

令和4年不動産鑑定士試験短答式試験試験場

画像引用元:国土交通省:令和4年不動産鑑定士試験短答式試験試験場

論文式試験は以下の4箇所で行なわれます。

国土交通省:令和4年不動産鑑定士試験論文式試験の試験会場・会場案内図

画像引用元:国土交通省:令和4年不動産鑑定士試験論文式試験の試験会場・会場案内図
短答式試験合格後に論文式試験が行なわれます。

不動産鑑定士資格を取得して稼ぐ方法

不動産鑑定士資格は国家資格であるため、副業目的で取得するのはあまりオススメしません。不動産鑑定士資格を持っているだけで事業として成り立つからです。

不動産鑑定士資格を活用してさらに稼ぐとなれば「マルチライセンス」で稼ぐ方法が現実的です。マルチライセンスとは、不動産鑑定士資格のほかに別の資格を取得し、その資格の組み合わせによって稼ぐ方法になります。

良い例が「宅建士」との組み合わせです。不動産鑑定士ですから、不動産関連の資格は事業に幅を持たせられるマルチライセンスとなるでしょう。

ほかにも、税理士や司法書士といった士業資格との組み合わせが有効です。士業以外ではファイナンシャルプランナーなどと組み合わせて、不動産コンサルタントとして起業するのもオススメです。

不動産鑑定士資格を活用して起業した場合に注意すべき資金問題

不動産鑑定士の平均年収は650万円~700万円と、比較的高い水準の年収です。

不動産鑑定士資格を取得してから起業する場合、懸念されるのは事業資金、運転資金の問題です。不動産鑑定士の主な仕事は「不動産を鑑定すること」になります。製造業などと異なり、事業資金や運転資金はあまり必要ないと思われがちです。

しかし、起業してすぐに新規の顧客から鑑定依頼がくることはそうそうありません。新規顧客を開拓するためにも、広告費などが発生します。

広告費などの経費は運転資金にあたります。運転資金は売上げ金や事業の流動資産から捻出しなくてはなりません。売上げが発生していない起業前や起業直後の状態は事業継続が危ういタイミングと言えるでしょう。

そこで検討してほしいのが資金調達です。資金調達といえば、金融機関からの事業性融資が一般的ですが、起業前や起業直後の状態の事業者に融資をする金融機関はほぼないでしょう。

起業前や起業直後の資金繰り問題を解決できる方法が「日本政策金融公庫の新創業融資」と「ファクタリング」です。

日本政策金融公庫の新創業融資

日本政策金融公庫は主に融資を扱っている行政金融機関です。事業者向け、一般消費者向けに融資を行なっており、民間の金融機関に比べて、限度額や返済年利が低いことでも有名です。

日本政策金融公庫では起業前や起業直後の事業者に向けた新創業融資という融資商品を扱っています。利率は最高でも3.25%、借り入れ限度額は最高3,000万円とかなりの好条件で融資を受けられます。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛金を専門業者に売却して資金を調達する金融工学のことです。売掛金さえあれば、資金化が可能です。

ただし、ファクタリングは売掛金の額面満額での資金調達はできません。手数料が発生するからです。手数料は売掛金総額の5%~30%で、ファクタリング業者によって異なります。

従業員への給与や固定費の支払いが難しい場合などに利用するとよいでしょう。

不動産鑑定士資格で稼ぐために資金繰りを安定させよう

不動産鑑定士資格は日本三大国家資格と呼ばれるほど取得が難しい資格です。ただし、取得してしまえば、稼げる資格であることは間違いないでしょう。

不動産鑑定士として起業する場合、顧客への認知などにさまざまな経費が発生します。起業直後に資金難に合わないためにも、資金調達方法は複数確保しておくことをオススメします。

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株式会社デキタ
株式会社デキタの代表取締役。資金調達に関する知識を身に付けるために「ファクタリングで資金調達デキタ!」を制作・運営。その延長線上で、事業者の利用する資金調達方法に焦点を当てた当サイトを企画・制作・運営。 資金調達に関する記事執筆は2018年より開始。複数の税理士やファイナンシャルプランナーと交流しながら、記事執筆をつづける。