ファクタリング業者が犯罪に手を染める!?過去に合った逮捕事例

ファクタリング業界では、需要の高さと利用者側の緊急性が高いという現状から、詐欺や悪質行為といった利用者の弱みに漬け込む悪徳業者が後を絶えません。真っ当な運営をしているファクタリング会社がある一方で、頼みの綱として縋ってきた経営者から、なけなしの現金を奪おうとする悪徳業者も少なくないのです。

詐欺や悪質な行為は立派な犯罪です。ここからは、実際にファクタリング業者が犯罪に手を染めた事件、過去に合った逮捕事例を紹介します。

ファクタリング業者逮捕事件

ファクタリング業者逮捕事件

ファクタリングと称して、実際は闇金業者が違法な取り立てや手数料を搾取する事件が後を絶ちません。その理由は、ファクタリングに対する認識不足や思い込みが深く関係しているのです。

ファクタリングという言葉を利用した詐欺事件

ファクタリングという言葉を悪用した詐欺事件といえばこの事件です。

「ファクタリング」と呼ばれる売掛債権の買い取り契約を装い、ヤミ金を営んだとして、大阪府警生活経済課は25日、貸金業法違反(無登録営業)の疑いで、東京都中野区の2業者を摘発し、元経営者の三浦和仁容疑者(36)=同区弥生町=ら男8人を逮捕した。

府警によると、ファクタリングを装ったヤミ金業者の摘発は全国初。府警は2業者がファクタリングを装いながら、実態は売掛債権を担保に高金利で金を貸し付けていたとみて、出資法違反(超高金利)容疑でも捜査する。

摘発されたのは「東洋商事」と「MINORI」。府警は、2業者が平成27年秋から28年11月にかけ、資金繰りが悪化した中小企業を中心に全国約250社に総額3億円以上を貸し付け、1億円以上の利益を得ていたとみて調べる。

逮捕容疑は28年5~9月、堺市と三重県鈴鹿市の会社経営者2人に40~50万円を貸し付け、無登録で貸金業を営んだとしている。三浦容疑者らは「ファクタリングとしての売掛債権の売買であり、貸金業の登録の必要はない」などと容疑を否認しているという。

引用元:産経WEST 2017.1.25掲載:https://archive.is/sojLK

「ファクタリング」と呼ばれる売掛債権の買い取り契約を装い、ヤミ金を営んだ事件として大きなニュースとして取りざたされました。これが、ファクタリングを装った闇金業者の摘発として全国初の事件となったのです。

詐欺が成功したのは利用者の知識不足に付け込まれたから

ファクタリングでの資金調達方法は画期的ですが、融資に比べると認知度は低めです。ファクタリングの利用目的に挙げられるのが、

  • 緊急の資金が必要
  • 短期で資金調達がしたい
  • 支払期日が迫っている

などです。

緊急性を要する経費の発生から、経費を確保していない経営者が利用する傾向が強いのです。そのため、どうしても手数料の相場や掛け目などの目減りがあることを認識しないまま契約してしまう利用者が多いのです。認識不足につけ込まれ、トラブルに発展してしまうというケースも少なくありません。

ファクタリングのイメージは悪いのか?

ファクタリング業者のことを闇金業と一括りにしている人は少なくありません。先ほど紹介した、ファクタリングを悪用した事件が取り沙汰され、ファクタリングそのものに悪印象を与えてしまっているのです。

しかし、ファクタリングでの取引そのものは、正当な資金調達の方法です。ファクタリングのイメージを悪くしているのもはどこにあるのでしょうか。

イメージが悪いというよりもそれほど情報がない

ある経営者がファクタリングと聞いて

「ファクタリングってどんな商売ですか?」

と、尋ねたことがあります。日本では、資金調達の方法といえば融資やビジネスローンといった借入が主流です。ファクタリングという資金調達方法を知らない経営者は、いまだに多くいるのです。

このことから、ファクタリングの認知度が低いことが分かります。そこにファクタリングを悪用した事件が報道されると、「ファクタリング業者って、新手の悪徳業者じゃないの?」と、まるで【ファクタリング=闇金】といった勘違いをされてしまうのです。

確かに、一部の悪徳ファクタリング業者が逮捕されたニュースが報道されれば、そう捉える人がいてもおかしくありません。逮捕された業者はファクタリングを装った闇金業者でしたが、そもそもファクタリングに対しての正しい情報がないことで、悪いイメージが先行してしまったのです。

認知されることで詐欺業者のあぶり出しができる

先に述べましたが、日本はファクタリングでの資金調達方法が一般的ではありません。しかし、売掛債権を売却して資金化をすることは、融資やビジネスローンなどといった借入ではないので利息を支払う必要もない画期的な資金調達方法です。

ファクタリングとは、企業が保有している売掛債権をファクタリング会社が買取る仕組みです。売掛債権を事前に売掛先と取り決めをした入金期日前に資金化できます。万が一、売掛先が倒産した場合でも、売掛債権の支払いを回避できるメリットがあります。

最近では、経済産業省が積極的にファクタリングを推しているため、注目を集めています。このように、正しいファクタリングに対する知識が民間へ浸透すれば、詐欺業者のあぶり出しができるのです。

ファクタリング会社は犯罪グループが装いやすい業種なのか?

ファクタリング会社は犯罪グループが装いやすい業種なのか?

どの業種でも、悪徳業者は潜んでいます。しかし、ファクタリングを悪用する犯罪グループが横行する理由として、ファクタリング業が金融庁に監督されない業種で、新規参入しやすいことが挙げられます。

素早い資金調達が逆手にとられてしまうファクタリング

ファクタリングのメリットはいくつかありますが、1番に挙げられるのが、早ければ即日にでも資金化できるスピードの早さです。銀行からの融資などは審査や書類をそろえるまでに時間がかかってしまうのが難点ですがファクタリングであれば、素早い資金調達ができます。

そのため、ファクタリング会社の利用者は、

  • 緊急に資金が必要になった
  • 支払期日に現金が足りない
  • 融資の審査に通らなかった

こういった理由からファクタリング会社に出向くのです。緊急事態を対処するために、売掛債権を売却して資金化を図ることは正しい選択ですが、この緊急性の高い資金調達を逆手に取られ、悪徳業者の思う壺となってしまうのです。

利用者の弱みにつけこむことは犯罪行為

資金繰りが悪化し、財務基盤が大きく揺るげば、経営難に陥るどころか倒産の危機に瀕してしまいます。経営者としては「すぐでもにお金が必要」という場面において、金融機関からの融資を断られてしまえば、とにかくお金を貸してくれる業者に縋りたいという考えになってしまうかもしれません。

そのような状況で、よくファクタリングを理解せずに利用してしまうと犯罪に巻き込まれてしまう恐れがあるのです。利用者の弱みにつけこみ、逃げられなくするのが悪徳業者の手口です。これは立派な犯罪行為なので、契約後でもおかしいと感じたら警察や弁護士に相談しましょう。

ファクタリングという名前を利用した犯罪が横行している

ファクタリングという名前を利用した犯罪が横行している

闇金業者は人の弱みにつけこみ、さまざまな手をつかって多額の金銭を要求してきます。ファクタリングは、新規参入業者のハードルが低く、近年、取り締まりが強化されている闇金業者がファクタリング業にスライドしているのも事実です。その結果、ファクタリングという名前を利用した犯罪が横行しているのです。

必ずファクタリング行う前には、会社情報を確認しましょう。もし取引しようとしているファクタリング会社と闇金業者の特徴が似ているようであれば注意が必要です。