ファクタリングを利用して資金調達に充てる中小企業や小規模企業が増えています。ファクタリングは平均、いくらくらい利用されているのかご存知ですか?

今回は気になるファクタリングの平均利用額や注意点について解説していきます。

ファクタリングとはどのようなものなのか?

ファクタリングとは、未回収の売掛債権をファクタリング会社に買取してもらう事です。

多くの企業は現金払いではなく「掛け」での取引が行われています。売掛での取引は発生から回収まで早くて1ヶ月遅ければ半年以上かかる場合もあるのです。

その売掛金をファクタリング業者に買い取ってもらう事で、早期資金調達を可能にした方法がファクタリングです。

ファクタリングのメリット

ファクタリングの最大のメリットは、資金化までの速さです。ファクタリング業者によっては1日で現金振込を完了してくれるところもあります。つなぎ資金や、仕入れ先への支払いなど、緊急で必要な資金調達が可能です。

また、ファクタリングのメリットは他にもいくつかあります。

  • 審査が柔軟(基本的に審査は売掛先が対象)
  • 融資ではない為、担保や保証人が不要
  • 与信情報が登録される取引でない為、決算で赤字計上されない
  • 償還請求権無しの場合、回収義務が発生しない

急な資金が必要になったとき、銀行や金融機関で融資を受けようとしても審査に時間がかかります。また、申し込みした企業の経営状態を細かく調べられるので、場合によっては融資が受けられない場合も。融資が決まっても、担保が必要になったり、保証人が必要になったりするケースも少なくありません。

その点、ファクタリングを利用すれば、急な資金調達も可能で、なにより担保を入れる必要がありません。ファクタリング会社によっては、売掛先が倒産したり、経営状況が悪化して売掛回収が不能になったりした場合でも、買取後の売掛債権を申し込み企業に請求しない会社もあります。

ファクタリングのデメリット

ファクタリングのデメリットといえば、ファクタリング会社に支払う手数料が高額になる可能性がある事です。その他にも、

  • 売掛先の状況
  • 売掛先の経営状態
  • 債権金額によって買取不可になる場合もある

などのデメリットが挙げられます。ファクタリングの方法などで割合が変わります。安いもので1%~5%、高くなれば10%~30%の手数料が必要となるのです。

ファクタリングの平均取引額はどれくらい?

ファクタリングを利用するにあたり、メリット・デメリットが把握できれば次に気になるのは平均利用額です。

ファクタリングは融資と違い返済義務は生じません。ですが、資金として見越した売掛金を先に現金化するのですから、考えなしでは先行き不安になってしまいます。

ファクタリングに限度額はあるの?

そもそも融資や借入とは違い、売掛債権を買ってもらうという定義のもとに取引されているので、その限度額は融資に比べ、幅広く設定されています。ファクタリング業者の中には、数億円まで取引可能な業者も存在します。いうなれば、売掛金の範囲であれば、ファクタリング可能で、売掛金以上の資金調達は不可能という事です。

資金調達をする際、売掛金が何千万、何億とあるなら金融機関や銀行に融資を依頼するより手数料を払ってもファクタリングする方がスピーディーに資金繰りできます。ですが、それほど多額のファクタリングをするのであれば、どこのファクタリング会社でも引き受けてくれる訳ではありません。

ファクタリング会社の多くは、売掛債権の信用度や顧客の信頼度により、50%~80%を限度額としています。

ファクタリングの平均利用額は高額?少額?

結論から先に述べると、一般的なファクタリングの平均額は、約250万円です。その利用額をパーセントで分類すると次のようになります。

  • 100万円未満 23%
  • 100万円以上200万円以下 33%
  • 200万円以上300万円以下 19%
  • 300万円以上500万円以下 12%
  • 500万円以上 13%

300万円以下のファクタリング割合が7割以上です。これは、億単位の売掛金を保有している大企業ではなく、中小企業がファクタリングを利用している事を示す数字といえます。

ファクタリング会社の中には「億単位のファクタリングが可能!」とのうたい文句で集客している会社もありますが、実際にファクタリングによる平均資金調達額は250万円前後なのです。

平均ファクタリング利用額が少額な理由

ファクタリングは、中小企業や個人事業主が利用する機会が多い資金調達手段です。中小企業や個人企業主は、財務基盤の弱いところもあり金融機関や銀行の融資を依頼しても、融資決定とはいかない場合があります。

中小企業の資金調達のセーフティネット的な役割を持っているのがファクタリングです。

平均ファクタリング利用額が少額傾向にあるのは、主な利用者が中小企業や個人事業主ある事が原因の1つとして考えられています。

ファクタリングを検討するのはいくらから?

緊急性を伴わない資金まで、手数料を払って全額売却するのは少し考えものです。しかし、企業によっては10万円でも黒字倒産するケースも少なくありません。平均額はあくまでも全体の平均額として頭に入れておいてください。

自社の資金繰りが厳しく、融資も満足に受けられないような状態であれば、すぐにファクタリングによる資金調達の検討をオススメします。

ファクタリング利用にあたっての注意点

銀行融資のハードルが高い、中小企業や個人事業主にとってありがたいファクタリングですが、注意すべきは買取金額の目減りです。売掛債権の買取で重要なのは、売掛先の信用度です。ファクタリングは融資と違い、申し込み企業(売掛元)ではなく売掛先の経営状態などを審査されます。

その審査結果によっては、買取金額が目減りする可能性や、中にはファクタリング取引自体を拒否される場合もある為、注意が必要です。

ファクタリングで効率よく資金調達していこう

企業により資金調達方法に差はあれど、必要以上のファクタリングを実行しない事も大切な経営戦略の1つです。ファクタリングは債権買取りによる資金調達方法の為、返済義務はありません。負債にも計上されず、利息を払い続ける必要もありません。資金繰りが厳しい中小企業や個人事業主にとってはありがたい資金調達方法です。

ただし、必要性や時期、利用金額を誤ると後々の経営に大きく影響してきます。ファクタリングの利用で経営状況が悪化しないように、根本的な資金繰りを改善させる事が最も重要なのです。これは、ファクタリングが資金化までの期間が非常に短期間に行われる為に、いざという時のライフラインとして活用されていたり、主な利用者が中小企業や個人事業主であったりする事に関係しています。

ファクタリングを利用する際には、資金の用途や企業の経営状況などあらゆる面を見極めて適切な金額を調達していく事が、ファクタリングを効率よく利用できる方法なのです。