海外に商品を販売している貿易業は、売上金の回収に長い時間がかかってしまったり、為替の影響で原価割れが起こってしまったりする事が多々あります。グローバルなビジネスを展開している企業ほど、支払いサイクルによって運転資金の調達が難しくなってしまい、資金ショートによる黒字倒産が起こりやすいとも言われています。
資金ショートによる黒字倒産を防ぐ為にも、売上金(売掛債権)を早期に資金化して、運転資金を健全化させるファクタリングを活用する事をおすすめします。
弊社「えんナビ」では24時間365日対応のファクタリング取引を行なっております。最短で1日という早さで御社の資金調達をサポート致します。
今回は、貿易業の資金繰りにファクタリングがいかに有効であるかについて詳しく解説していきます。
貿易業にファクタリングがおすすめの理由とは?
貿易業は売上のほとんどが月末締めの売掛金として計上されています。計上後2か月~3カ月といった長い期間で入金を待つ場合もあるほどです。設備投資や仕入れ、人件費などは、流動資産である預金から捻出する事になり、大きな受注などを受けた場合に、人気商品の仕入れが出来なくなるなどのチャンスロスが発生しやすい業種です。
近年経済界で注目されている金策の一つに「ファクタリング」という方法があります。売掛金を「モノ」として取り扱い、専門の業者に、売掛債権を買い取ってもらう事で資金調達を行なう方法です。
ファクタリングは、15世紀にイギリスで行なわれた取引が発祥とされ、欧米諸国では手形取引よりもメジャーな金融工学です。海外ブランドの多くは、こうしたファクタリングを有効活用してビジネスの規模を広げていると言っても過言ではないでしょう。
海外ブランドが日本でもビジネスをする事が出来る理由は、なんといっても「資金力」です。資金力は、会社の商品の売り上げや、経費の削減など、様々な事が要因となって強くなります。一番の要因は、資金サイクルの健全化でしょう。売上をいかに効率的に運転資金にして会社の資産を高めていくか。海外ブランドが自国以外で成功する秘訣と言われています。
受注と納品のスピードが命の貿易業
貿易業は、他の業界に比べて、受注から納品までのスパンが短い業界です。特に小売業に関しては顕著に売り上げに直結してきます。需要と供給のタイミングは、国によって様々です。アメリカのブラックフライデーや、ヨーロッパのサマータイムなど、日本と全く異なる需要が生まれてくるのが貿易業の特徴です。
需要に対応する為の仕入れなどの運転資金が無ければ、ビジネスチャンスを逃すだけでなく、将来的な取引解消にもつながってしまいます。運転資金サイクルの健全化は、貿易業にとっては最も重要なポイントであるという事は言うまでもありません。需要のタイミングにきちんと商品を確保さえ出来れば、将来の売り上げにも繋がりますし、顧客からの信頼も高まっていきます。
貿易業のファクタリングは通常のファクタリング業者では対応出来ないのか?
貿易業のファクタリングは、通常のファクタリングと若干異なります。それが、ファクタリングの仕組みに関係しています。ファクタリングは売掛債権を「モノ」として扱うという話をしました。しかしそれは、ファクタリング契約に伴う審査に合格した後の話です。
ファクタリングのメリットは、申し込む側(売掛元)の審査ではなく、売掛先の企業を審査する為、どんなに売掛元が赤字の状態であっても審査に通りやすいという点です。海外の企業が相手の場合には、審査に時間がかかるだけではなく、L/C(後ほど説明します)の有無などもファクタリング審査の重要な審査項目に含まれます。
ファクタリング業者が貿易業のファクタリング契約をした事があるのであれば問題はありませんが、貿易業ファクタリングの経験に乏しい場合では、どんなに優良なファクタリング業者であっても、ファクタリングを行なう事が出来ません。
貿易業のファクタリングは、売掛元や売掛先だけではなく、ファクタリング業者にも対応出来る能力が求められているのです。
保証ファクタリングと国際ファクタリングの違い
ファクタリングと聞くと、「2社間ファクタリング」や「3社間ファクタリング」がイメージされますが、貿易業のファクタリングでは、若干意味が異なります。ここでは、通常のファクタリング「保証ファクタリング」と貿易業のファクタリング「国際ファクタリング」について解説していきます。
保証ファクタリングとは?
保証ファクタリングとは、先ほども述べた「2社間ファクタリング」、「3社間ファクタリング」の事です。売掛先とファクタリング業者の2社間で行なう2社間ファクタリングと、売掛先、売掛元、ファクタリング業者の3社間で行なう3社間ファクタリングが一般的なファクタリングの手法です。
ファクタリングには審査があり、売掛先の企業の経営状況、特に売掛債権額をきちんと入金されるのかという点においてチェックが入ります。2社間ファクタリングであっても、3社間ファクタリングであっても同様です。それぞれにメリットとデメリットがあります。ファクタリングを利用する際には、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングそれぞれのメリットとデメリットを理解する必要があります。
2社間ファクタリングのメリットとデメリット
2社間ファクタリングとは、売掛元と、売掛債権を資金化してくれるファクタリング業者の2社で行なわれるファクタリング取引です。売掛債権を「モノ」として取り扱い、売掛債権額から手数料を差し引いた分の金額を受け取る事が出来ます。2社間ファクタリングのメリットとデメリットは以下です。
2社間ファクタリングの【メリット】
1.資金化までのスピードが速い
銀行融資などでは審査期間や、書類手続きなどを含めると、資金化までの時間が長くかかりがちです。資金繰りが悪化する原因の一つはこの「時間」です。ファクタリングでは業者にもよりますが、即日資金化、3営業日以内に資金化など、売掛債権が資金化されるまでのスピードが速い事もメリットです。
2.審査は売掛元ではなく売掛先
先ほども触れましたが、例え申し込み者である企業の経営状況が火の車であっても、売掛先の企業の与信力が高ければ、資金化が可能です。特に、上場企業などは貸し倒れの可能性が低くなる為、手数料も安くなる場合があります。
3.売掛先に知られずに資金化出来る
2社間ファクタリングは、売掛元とファクタリング業者の2社間で契約される取引です。ただし、資金化の源となる「売掛債権」は売掛先と売掛元の2社内での取引です。債権譲渡を行なう際には、契約書上で債権譲渡の禁止特約などを締結する場合がありますが、金額などによっては、債権譲渡禁止特約などが無い場合もあります。
債権譲渡禁止特約が無い売掛債権のファクタリングは、売掛先へ、債権を譲渡したという通知をする必要がありません。その為、資金繰りに困っているというネガティブな情報を売掛先に知られる事なく、資金を調達出来ます。資金繰りにあえいでいるという事実を知られると何かと都合が悪いというケースには2社間ファクタリングが有効です。
2社間ファクタリングの【デメリット】
1.手数料が高い
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを比べると、圧倒的に2社間ファクタリングの方の手数料が高いです。貸し倒れリスクを最小限にする為に高く設定されています。業者によっても異なりますが、3社間ファクタリングの場合で5%~10%なのに対し、2社間ファクタリングでは10%~30%とかなり幅が広くなります。
2.個人事業主は利用出来ない
貿易業者の中でも資金繰りが大変なのは、法人も個人事業も一緒です。ファクタリングには「売掛債権の譲渡登記」が必須です。この売掛債権の譲渡登記は、法人しか利用出来ない制度です。その為、いくら売掛債権譲渡禁止特約がない売掛債権だとしても、個人事業主は2社間ファクタリングを利用出来ません。
3社間ファクタリングのメリットとデメリット
2社間ファクタリングのメリットとデメリットについて解説してきましたが、3社間ファクタリングのメリットとデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
3社間ファクタリングの【メリット】
1.手数料が安い
2社間ファクタリングのデメリットでもある手数料が、3社間ファクタリングの場合は安く済みます。2社間ファクタリングよりも貸し倒れリスクが減るという点で、手数料は2社間ファクタリングに比べると半分以下になる場合が多いです。
2.個人事業主でも利用出来る
債権譲渡を売掛先の合意を得て行なう為、個人事業主でも利用出来ます。
3社間ファクタリングの【デメリット】
1.2社間ファクタリングに比べて資金化までのスピードが遅い
3社間ファクタリングは、売掛元、ファクタリング業者に加えて、売掛先も取引の対象になります。その為、資金を得たい売掛元と、売掛先の交渉次第では、2社間ファクタリングよりも時間がかかってしまう場合があります。
2.売掛先との交渉次第では今後の取引に影響が出る場合も
債権譲渡通知が行なわれる為、ファクタリングを行なう事で両社(売掛先と売掛元)の関係がぎくしゃくする可能性もあります。資金繰りに困っているという事実によって、契約内容の見直しがされてしまう場合もあります。
国際ファクタリングとは?
国際ファクタリングは、貿易取引で使われる「信用状」(Letter Of Credit)開設を行ない、貿易取引で発生するコストを削減する仕組みです。
一般のファクタリング業者ではなく、銀行が発行する支払いの確約書を「L/C」と言います。貿易取引の場合、取引相手が遠隔地にいる為、商品を発送しても買い手が確実に支払いを行なうかどうかを証明する事が難しいです。その証明の為に考えられた手段が「荷為替手形」という方式で、この荷為替手形に、銀行からの信用供与を加えて、証明を確実にした手段が「L/C」、信用状決済です。
この信用状取引を行なう事で、輸出する側は、船積みと同時に輸出代金を回収する出来、輸入側も、輸入代金を前払いする必要がなくなるというメリットがあります。
ファクタリングという名称ではありますが、その本質は貿易取引証明という事になります。
貿易業のファクタリング
貿易業のファクタリングは、上記の保証ファクタリングと国際ファクタリングの両方が関係しているファクタリングです。一般的なファクタリング業者は、あまり受け付けていません。審査も、売掛先だけではなく、申し込んだ売掛元の企業もチェックされます。また、国際間のファクタリングでは、売掛先の企業、売掛元の企業、そして売掛先と取引しているファクタリング業者と売掛元が依頼しているファクタリング業者の4社間で行なわれるのが一般的です。
貿易業ファクタリングを行なう際には、国際ファクタリング、保証ファクタリング両方に強いファクタリング業者を選ぶ必要があります。
貿易業に特化したファクタリング業者をチェックする方法
貿易業に特化したファクタリング業者を選ぶには、以下の4つの部分をチェックする必要があります。
チェック1 「取引経験値」
貿易業のファクタリングを行なった経験値の有無は、ファクタリング業者を選ぶ上で重要なポイントです。ほとんどのファクタリング業者は、日本国内のファクタリングの経験値は高いですが、取引相手が海外となると、一度もファクタリング契約の経験が無い業者もいます。
海外相手のファクタリングは、ある程度のノウハウが無ければ、審査も難しい為、ファクタリングによる資金化が難しいという返事になる場合もあります。取引経験値の有無は、手数料などよりも優先順位が高いという事は言うまでもありません。
チェック2 「資金化までのスピード」
貿易業にとって資金化までのスピードはとても重要です。受注したくても、資金が用意出来ない為に、みすみすビジネスチャンスを逃してしまうというケースもあります。基本的には資金化までのスピードが速い業者を選ぶべきです。
しかし、貿易業に特化しているという面を考慮しないと、資金化までのスピードは速いという評判であっても、審査に手間取ってしまい、資金化までのスピードが遅くなってしまう場合もありますので注意しましょう。
弊社「えんナビ」では急に資金調達が必要になった場合でも対応できます。対応スタッフは金融のプロを配置しております。緊急での資金調達はもちろん、継続的なファクタリングなども受け付けておりますので、是非相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?
チェック3 「明確な手数料」
貿易業のファクタリングは、国内でも対応出来る業者が少ないという点から、手数料は審査次第としている業者も多いです。しかし、そういった業者程、申し込み者の足元を見て手数料を決めている場合もあります。事前に手数料は〇%~〇%と明記してある業者を選ぶようにしましょう。
貿易業は基本的に2社間ファクタリングになる場合が多い為、なるべくは安い手数料の業者が望ましいですが、安すぎる業者は、悪質な業者である可能性も高い為、きちんと調査をした上でファクタリングの申し込みを検討するようにしましょう。
チェック4 「業者自体の信頼性」
ファクタリング業者自体の信頼性も重要です。信頼性が高ければ、継続した取引が行えますし、継続した取引が出来れば、ファクタリング自体を運営予算として組み込む事も出来ます。実際に、海外へ商品を輸出している企業程、ファクタリング費用を経費として計上している所が多いです。ZOZOや、楽天といったグローバルな小売業程、ファクタリングを有効活用して、経理の健全化をしています。
貿易業ファクタリングはグローバルビジネスを支える新しい武器になる
貿易業のファクタリングについて解説してきました。
貿易業に特化したファクタリング業者は、日本国内でもあまり対応出来る業者が少ないのが現状です。きちんと仕組みを理解しているファクタリング業者は限られていますが、一度取引した業者とは長く付き合っていけるというメリットがあります。
現在では、大企業もファクタリングを予算に組み込んでいる会社が多くなってきました。ZOZOや楽天など、海外向けに商品を展開している会社も決算情報などに「ファクタリング費用」を組み込んで予算を組み立てています。海外のニーズ、国内のニーズをきちんと把握してビジネスチャンスを逃さない為にも、ぜひ貿易業のファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか?
弊社「えんナビ」ではEC業など多くの輸出入ビジネスを手掛けている企業様と取引をしてきた実績がございます。海外相手で泣き寝入りすることが無いようにリスクヘッジを取るという意味でも、ファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか?