2社間ファクタリングの仕組みと3社間との違い

結論
2社間ファクタリングとは、売掛金を持つ会社(利用者)とファクタリング会社の2社だけで契約し、売掛金を支払期日より前に資金化する方法です。売掛先(取引先)は契約に加わらず、承諾も要りません。
よい点
取引先の手続きを待たないので早く資金化しやすく、取引先に知られにくい方法です。
気をつける点
手数料は3社間ファクタリングより高くなりやすく、取引先から入金されたお金は自社でファクタリング会社へ支払います。「絶対に知られない」わけではありません。
えんナビの場合
ご利用のほとんどが2社間ファクタリングです。売掛先へ通知することはなく、償還請求権のない契約(ノンリコース)です。買取金額は50万円から5,000万円まで、法人・個人事業主ともお申込みいただけます。お申込み・ご相談は24時間365日受け付けています。

中小企業の資金繰りが苦しくなる原因の一つが、入金と支払いのタイミングのずれです。
仕入れ代金や外注費、給料は先に出ていくのに、売上の入金は1か月後、2か月後ということがよくあります。そのため、帳簿上は黒字でも手元のお金が足りなくなる「資金ショート」が起こります。

ファクタリングは、この「まだ入ってきていない売上」を先に資金化する方法です。そのやり方には2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2通りがあります。
このページでは、2社間ファクタリングの仕組み、3社間との違い、取引先に知られるのはどんな場合か、違法な業者との見分け方までを、ファクタリング会社として実際にお申込みを受けている弊社「えんナビ」が解説します。

2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社の2社で契約するファクタリングです。「2者間ファクタリング」と書かれることもありますが、同じものです。
売掛先は契約に加わらず、売掛先の承諾を得る手続きもありません。

ファクタリングは借入れではなく、売掛金(売掛債権)の売買です。金融庁も、ファクタリングは「法的には債権の売買(債権譲渡)契約」と説明しています。売掛金を売った代金を受け取るので、返済という考え方はありません。

2社間ファクタリングの流れ

2社間ファクタリングは、おおむね次の順番で進みます。

  1. 利用者がファクタリング会社に申し込み、請求書などの資料を出す
  2. ファクタリング会社が、売掛金が期日に支払われるかを審査する
  3. 買取金額(売掛金から手数料を引いた額)を確かめて契約する
  4. ファクタリング会社から利用者へ、買取代金が振り込まれる
  5. 支払期日に、売掛先から利用者へいつもどおり入金される
  6. 利用者が、その入金分をファクタリング会社へ支払う

ポイントは5と6です。売掛先はいつもどおり利用者の口座へ支払います。売掛先から見ると、支払い先も支払い方も変わりません。だから2社間ファクタリングは取引先に知られにくいのです。
そのかわり、入金されたお金をファクタリング会社へ届けるのは利用者の役目です。手数料を差し引いた額ではなく、契約で決めた額を支払います。

たとえば、100万円の売掛金(支払期日は2か月後)を2社間ファクタリングで売ったとします。買取代金はすぐに受け取れます。2か月後に取引先から100万円が入金されたら、その100万円をファクタリング会社へ支払って取引は終わりです。

2社間と3社間の違い

いちばん大きな違いは、売掛先が契約に加わるかどうかです。2社間は利用者とファクタリング会社だけ。3社間は売掛先も加わり、売掛先の承諾を得たうえで、売掛先からファクタリング会社へ直接支払ってもらいます。

スマホでは表を横にスクロールすると、右の列まで見られます。

比べる点2社間ファクタリング3社間ファクタリング
契約するのは利用者とファクタリング会社利用者・ファクタリング会社・売掛先
売掛先の承諾要らない要る
資金化までの時間売掛先の手続きを待たないので早くしやすい売掛先の承諾や書類のやりとりの分、時間がかかりやすい
手数料高くなりやすい低くなりやすい
支払期日の入金先利用者(その後ファクタリング会社へ支払う)ファクタリング会社へ直接
取引先に知られるか知られにくい(絶対ではない)承諾を得るので知られる

3社間の場合は、取引先にも話し合いのテーブルについてもらう必要があります。取引先が応じてくれなければ、資金化まで時間がかかります。2社間は利用者がファクタリング会社に申し込むだけで手続きが進むため、3社間よりも早く資金化しやすいのです。

手数料に差が出るのは、ファクタリング会社が負うリスクが違うからです。3社間では売掛先に売掛金があることを直接確かめられ、お金も売掛先から直接受け取れます。2社間ではそれができず、利用者が入金されたお金を確実に支払ってくれるかというリスクも加わります。その分が手数料に反映されやすいのです。
手数料の決まり方や、高すぎる手数料の見分け方はファクタリングの手数料の相場で詳しく説明しています。3社間ファクタリングについては3社間ファクタリングの手数料が安い理由をご覧ください。

2社間ファクタリングのメリット

2社間ファクタリングのメリットは、早く資金化しやすいことと、取引先に知られにくいことです。加えて、借入れではないので、自社の決算が赤字でも検討できます。

早く資金化しやすい

売掛先の承諾を待つ必要がないため、書類がそろっていれば短い期間で資金化できます。「来週の支払いに間に合わせたい」といった急ぎの場面で選ばれるのはこのためです。弊社「えんナビ」の入金は最短即日です。ただし、書類のそろい具合やお申込みの時間帯などによって変わります。

取引先に知られにくい

3社間ファクタリングでは、取引先に「資金繰りが苦しいのでは」と受け取られ、取引の縮小につながる心配があります。2社間なら売掛先は契約に加わらず、支払い先も変わらないため、取引先との関係を今までどおり保ちやすくなります。
ただし、ある条件では知られることがあります。くわしくは下の「2社間でも取引先に知られる場合」で説明します。

自社が赤字でも検討できる

ファクタリングは借入れではないため、審査で重く見られるのは利用者の決算よりも、売掛金が期日に確実に支払われるかです。2社間では、入金されたお金を利用者が確実にファクタリング会社へ渡せるかもあわせて見られます。赤字決算や税金の滞納があって銀行融資を断られた会社でも、売掛先の支払いに問題がなければ資金化できる場合があります。弊社「えんナビ」も赤字決算のお客様にご利用いただけます。税金の滞納がある場合も、優先される債権がなければご利用いただけますので、まずはご相談ください。
また、償還請求権のない契約(ノンリコース)なら、売掛先が倒産して支払えなくなっても、利用者がファクタリング会社に代わりに払う必要はありません。ただし、売掛先から入金されたのにファクタリング会社へ渡さない場合は、ノンリコースでも支払う義務は残ります。

2社間ファクタリングのデメリットと注意点

2社間ファクタリングで気をつけたいのは、手数料が高くなりやすいこと、入金されたお金を自社で支払う手間と責任があること、続けて使うと資金繰りが苦しくなりやすいことの3つです。

手数料が3社間より高くなりやすい

上で説明したとおり、2社間はファクタリング会社のリスクが大きい分、手数料が高くなりやすい方法です。売掛金の額が大きいほど、手数料の金額も大きくなります。
取引先に知られずに済むことと手数料の差を比べて、どちらを選ぶかを決めてください。取引先の承諾をもらえるなら、3社間のほうが手数料を抑えやすくなります。

入金されたお金を確実に支払う必要がある

2社間では、売掛先から入金されたお金は、契約によってファクタリング会社へ支払うお金です。これを別の支払いに回してしまうと、契約違反になります。
支払期日の前に、ほかの支払いの予定と重ならないか確かめておくと安心です。

続けて使うと資金繰りが苦しくなりやすい

ファクタリングは入金日より前にお金を受け取る方法です。そのため、本来の入金日にはもう入ってくるお金がありません。そこでまた次の売掛金を売る、という形が続くと、手数料の分だけ毎月の手取りが減っていきます。
取引先が1社だけで、売掛金も1つだけという会社は、特に注意が必要です。資金繰りを立て直すまでのつなぎとして使い、何に使うか、いつまで使うかを決めておきましょう。

2社間でも取引先に知られる場合

2社間ファクタリングは取引先に知られにくい方法ですが、次のような場合には知られることがあります。

債権譲渡登記をした場合

ファクタリング会社によっては、2社間でも「債権譲渡登記」をすることがあります。債権譲渡登記とは、売掛金を譲ったことを法務局に記録する手続きです。同じ売掛金をほかの会社にも売る「二重譲渡」から、ファクタリング会社が自分の権利を守るために使われます。

法務省の説明では、登記をしただけでは売掛先に対して譲渡を主張できず、主張するには登記の証明書を添えた通知が必要とされています。つまり、登記をしただけで売掛先に知らせが届くわけではありません。ただし、登記の概要(譲った会社の名前や本店、譲渡のおおまかな内容)は、譲った会社の本店の地域の登記所に記録され、その証明書は誰でも請求できます。取引先や金融機関が調べれば、ファクタリングを使ったことが分かる可能性があります。
なお、この登記は法人しか使えない制度です。個人事業主は登記ができないため、登記をしない形でファクタリングを行うことになります。

登記をするかどうかはファクタリング会社や契約によって違います。契約の前に必ず確かめてください。登記についてはファクタリングの登記でも説明しています。

支払いが遅れたり、契約を守れなかったりした場合

入金されたお金を期日までにファクタリング会社へ支払えないと、売掛先へ売掛金を譲ったことが通知され、ファクタリング会社から売掛先へ直接の支払いを求められることがあります。民法では、売掛金を譲ったことを売掛先に主張するには、譲った側(利用者)から売掛先への通知か、売掛先の承諾が必要とされています(民法467条)。債権譲渡登記をしている場合は、ファクタリング会社が登記の証明書を売掛先に渡して通知することもできます(動産債権譲渡特例法4条2項)。2社間ファクタリングでは通常この通知をしませんが、契約を守れないと、通知が売掛先に届くことがあるのです。
取引先に知られたくないなら、契約どおりに支払うことが何より大切です。

売掛先との契約に「譲渡制限特約」がある場合

売掛先との契約書に「この売掛金を他人に譲ってはいけない」という決まり(譲渡制限特約)が入っていることがあります。2020年4月に施行された改正民法では、この特約があっても売掛金の譲渡そのものは有効とされました(民法466条2項)。
ただし、特約を知っていた買い手や、重大な不注意で知らなかった買い手に対しては、売掛先は支払いを拒んだり、これまでどおり利用者に支払って済ませたりできます(同条3項)。特約に反したことで、取引先とのトラブルになる心配もあります。売掛先との契約書に特約がないかを、申し込みの前に確かめておきましょう。

2社間ファクタリングは違法ではない。ただし偽装ファクタリングに注意

2社間ファクタリングそのものは、売掛金の売買であり違法ではありません。ただし、ファクタリングの形をとった違法な貸付け(偽装ファクタリング)があり、実際に裁判で貸付けと判断された例もあります。見分け方は、契約の中身にあります。

金融庁が示している見分け方

金融庁は、ファクタリングとして行われ、契約書に「売買契約」と書かれていても、次のような形のものは貸金業に当たるおそれがあるとしています。

  • 売主(利用者)が集金できなかったときに、売掛金を買い戻すことになっている
  • 売主が集金できなかったときに、自分のお金でファクタリング会社に支払うことになっている

どちらも、2社間ファクタリングのように集金を利用者に任せる形で問題になるものです。さらに金融庁は、貸金業に当たるかどうかは契約書にノンリコースと書いてあるかといった形だけでなく、実態で判断されるとしています。
買取代金が売掛金の額に比べて著しく低い場合も、偽装ファクタリングの疑いがあるとしています。

裁判ではどう判断されているか

金融庁は、判断が分かれた裁判例を紹介しています。

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判断裁判判断のおもな理由(金融庁の要約より)
貸金業に当たらない東京地裁 令和2年9月18日ファクタリング会社が償還請求権を持たず、売主も買戻しを予定していない。売掛先の不払いのリスクがファクタリング会社に移っている。売掛先への通知は待ってもらっていたが、ファクタリング会社の判断で通知できた。手数料も担保目的と推認させるほど大きくない
貸金業に当たらない東京高裁 令和4年6月15日回収できなかった額を売主が負担するとされておらず、売掛先の支払い能力のリスクがファクタリング会社に移っている。手数料も多額ではない
貸付けに準じると判断大阪地裁 平成29年3月3日ファクタリング会社が不払いのリスクをほとんど負っていない。売掛金の額と関係なくお金がやりとりされていた
貸付けと判断東京高裁 令和3年7月1日売掛先が払わなかったとき、売主が売掛金以上の額を払うという公正証書を作っていた
貸付けと判断名古屋地裁 令和3年7月16日契約上は売主が売掛先の支払い能力を保証しないとされていたが、売掛金の性質や期間の短さから不払いの可能性がきわめて低かった
無効と判断札幌高裁 令和4年7月7日売主は譲渡が取引先に知られると事業が続けられないため、何としても買い戻さなければならない状況で、ファクタリング会社もそれを知っていた。実質は売掛金を担保にした貸付けに近い
貸付けと判断東京地裁 令和4年3月4日ノンリコースと書かれていたが、売掛先に不払いの兆しがないことを売主に保証させており、売主に支払いの保証を求めているのと同じだった

分かれ目は、売掛先が払えなかったときのリスクを、本当にファクタリング会社が負っているかです。
札幌高裁の例は、2社間ファクタリングの「取引先に知られたくない」という気持ちが弱みとして使われた例と言えます。事業者の売掛金とは別の、給与の例ですが、最高裁も令和5年2月20日の決定で、勤務先への通知を避けるために事実上買い戻さざるを得なかった「給与ファクタリング」を貸付けにあたると判断しています。契約書に「買戻し」や「売主が代わりに支払う」という決まりがないか、契約の前に必ず読んでください。

偽装ファクタリングやファクタリングと貸金業の関係は、ファクタリングは貸金業ではない理由でも説明しています。

2社間ファクタリングが向いている会社・向いていない会社

2社間ファクタリングが向いているのは、急いで資金が必要で、取引先との関係を変えたくない会社です。反対に、時間に余裕があり、取引先の承諾をもらえる会社は、3社間や銀行融資も比べてみる価値があります。

向いている会社

  • 支払いの期日が近く、銀行融資の審査を待てない
  • 取引先との関係を考えて、ファクタリングの利用を知られたくない
  • 取引先が大手で、承諾の手続きに応じてもらうのが難しい
  • 赤字決算などで銀行融資を断られたが、売掛先の支払いには問題がない

向いていない会社

  • 取引先の承諾をもらえ、手数料をできるだけ抑えたい(3社間が向いています)
  • 資金が必要になるまでに時間の余裕がある(銀行融資なども比べられます)
  • 毎月の売上の多くを、ずっとファクタリングに頼る形になりそう
  • 入金されたお金を期日に支払える見通しが立たない

えんナビの2社間ファクタリング

弊社「えんナビ」でご利用いただいているのは、ほとんどが2社間ファクタリングです。3社間ファクタリングにも対応しています。建設業、運送業、人材派遣業、製造業をはじめ、さまざまな業種の会社様にご利用いただいています。

  • 売掛先へ通知しません。2社間ファクタリングでは、売掛債権を買い取ったことを売掛先へ通知することはありません。
  • 償還請求権のない契約(ノンリコース)です。お客様に保証を求めない契約のため、万が一売掛先が倒産しても、お客様に返還の義務は生じません。
  • 買取金額は50万円から5,000万円まで。法人だけでなく、個人事業主の方もお申込みいただけます。
  • お申込み・ご相談は24時間365日受け付けています。入金は最短即日です。審査や入金の日時はお申込みの内容によって変わります。

買取の可否は、売掛金の種類だけで決めるのではなく、さまざまな資料を拝見して、期日までに確実に回収できるかどうかで判断します。請求書を出す前の注文書(発注書)の段階では買い取っておりません。
お客様満足度は93%以上、リピート率は90%以上(自社調べ・2023年時点)です。

お持ちの売掛金でいくら資金化できるかは、簡単査定でお確かめいただけます。他社でご検討中の方からのご相談も受け付けています。

2社間ファクタリングのよくある質問

Q.2社間ファクタリングなら、その日のうちに入金されますか?

書類がそろっていて、審査と契約がその日に終われば、即日の入金もあります。ただし必ずではありません。弊社「えんナビ」の入金は最短即日で、書類のそろい具合やお申込みの時間帯などによって変わります。

Q.個人事業主でも2社間ファクタリングを使えますか?

使えます。ただし、債権譲渡登記は法人しか使えないため、登記を条件にしている会社では個人事業主は利用できません。弊社「えんナビ」では、個人事業主の方のお申込みも受け付けています。

Q.2社間ファクタリングの手数料はどのくらいですか?

売掛先の信用力、売掛金の金額、支払期日までの期間などで変わります。一般に、同じ売掛金なら3社間より2社間のほうが高くなりやすい方法です。お持ちの売掛金での金額は簡単査定でご確認いただけます。

Q.会計処理(仕訳)はどうなりますか?

借入れではないので、借入金としては計上しません。売掛金を売った取引として処理します。勘定科目などはファクタリングの会計処理で説明しています。実際の処理は顧問の税理士にご確認ください。

Q.取引先に絶対に知られませんか?

「絶対」とは言えません。2社間は取引先に知られにくい方法ですが、債権譲渡登記をした場合や、契約どおりに支払えなかった場合などには知られることがあります。くわしくは上の「2社間でも取引先に知られる場合」をご覧ください。

Q.2社間ファクタリングは違法ではありませんか?

売掛金の売買である2社間ファクタリングは違法ではありません。ただし、買戻しを求めるなど、実態が貸付けにあたる偽装ファクタリングもあります。契約書の中身を確かめることが大切です。

2社間ファクタリングを正しく使って資金繰りを守る

2社間ファクタリングは、取引先に知られにくく、早く資金化しやすい方法です。そのかわり手数料は3社間より高くなりやすく、入金されたお金を確実に支払う責任があります。
契約の前には、登記をするか、買戻しや保証を求める決まりがないかを確かめてください。そのうえで、つなぎの資金として計画的に使えば、資金ショートから会社を守る心強い手段になります。

弊社「えんナビ」は、24時間365日お申込み・ご相談を受け付けているファクタリング会社です。取引先に知られずに資金化したい、まずはいくらになるか知りたいという方は、お気軽にご相談ください。

出典・参照(2026年11月3日確認)