どこの業界にも、悪質な業者というのは存在しています。ファクタリングについても例外ではありません。闇金業者の鞍替えなどで、むしろ利用者が注意しなければならないレベルで存在しているのです。
悪質なフィルタリング会社の存在は、法整備が不十分な事などが背景にあります。悪質な会社を見抜くためには、契約書を細かい部分まで読むなどの注意が必要になってきます。
悪質なファクタリング会社は存在するのか?
なぜ悪質なファクタリング会社が存在するのかというと、そもそも存在し得る土壌が存在しているためです。注目度が高くないため、世間の目が光っていない事が背景にあります。また、業者に対する法整備が整っていない事実は大きな問題といえます。
存在し得る土壌がある
そもそも、ファクタリング会社は日本では必ずしもポピュラーではありません。このため、世間からの注目度は、必ずしも高くありませんでした。貸金業のように、良くも悪くも話題を集めるような事はなかったのです。
裏返せば、これは周囲の目が行き届いていないという事でもあります。その会社が良質か悪質か、判断してくれる人間が少ないという事です。このため、悪質な業者が低評価を受けて淘汰される段階に達していません。
中でも問題となるのが、ファクタリング会社に関する法整備が整っていない現状です。このため、契約などで問題が生じる可能性が高くなっています。それだけ、悪質な業者が存在し得る土壌が存在しているのです。
法整備が整っていない
例えば貸金業の場合は利息制限法や出資法など、悪質な業者を規制するための法律が整備されています。問題が起きると改正され、より厳しく規制されるようになっているのです。例えば利息制限法だと、利息の上限が定められており、法律に従って営業するなら、極端に高い利息は取れません。
ところが、ファクタリング会社の手数料は利息ではありません。このため、利息制限法や出資法の規制対象にはならないのです。これは、ファクタリング会社の仕事が売掛債権の売買で、貸金業の扱いになっていないという理由からもきています。
法整備が不十分という事は、会社情報の開示についてもしっかり定められていないという事でもあります。貸金業者のように、固定電話の設置規定もありません。
つまり、法整備が整っていないと、手数料や取引方法などの規制について悪徳業者が介入しやすい環境を作っているのです。悪質な業者が存在しうる土壌の中でも、最も大きな問題といって過言ではありません。
闇金業者がファクタリング会社に鞍替えしている?
ファクタリング会社で特に問題視されているのが、闇金業者からの鞍替えです。貸金業法改正で規制が厳しくなり、運営が難しくなった事から、法規制のないファクタリング業界に参入してきたのです。法外な手数料を取るなど闇金業者時代の運営方針はそのまま踏襲しています。
貸金業法改正で絶滅寸前したはずなのに
平成18年の貸金業法改正は、闇金業者にとっては大きな痛手でした。闇金業者といえば、暴利もさる事ながら、暴力的な経営方針が問題視されていました。その暴力的なやり方が、ことごとく法規制の対象となったため、絶滅寸前にまで追い込まれたのです。
まず、執拗な取り立て行為は、夜だけでなく日中も規制対象となりました。闇金特有ともいえる恐喝まがいの取り立ては、法的に全面禁止となったのです。これが大きなダメージとなったのは想像に難くありません。
借り手が自殺した場合、生命保険金によって弁済させるという事も、法律で禁止されました。生命保険金を担保にしてお金を貸し、精神的ダメージなどによって自殺したときに保険金で払わせるのも、闇金の常套手段でした。これも、ダメになったのです。
こうしたさまざまな闇金のやり口が、貸金業法の改正でできなくなり、必然的に、闇金の経営は厳しくなっていきました。法規制によって絶滅を待つだけの状態となったのが、闇金の実情だったのです。
対個人から対企業へ
そうした闇金にとって、ファクタリング業界は魅力的でした。まず、どれほど高い手数料を取っても、現時点では違法になりません。貸金業のように法整備ができている訳ではなく、暴力的なやり方も違法となっている訳ではないのです。
しかも、ファクタリング事業を行う際には、登録義務すらありません。闇金は実態を知られないために、固定電話ではなく携帯電話の番号を使うのが常套手段でした。貸金業で法的にできなくなったこの方法が、まだ使えるのがファクタリング会社なのです。
付け加えると、中小企業の大きな課題は資金調達です。ファクタリング会社にとっては「売り手市場」といえます。顧客のアテがあり、法規制が緩いという条件下で、闇金が「参入」してくるのも、ある意味当然だといって過言ではありません。
悪質なファクタリング会社を見抜くコツ
こうした悪質なファクタリング会社を見抜くためには、2つの点に注意する必要があります。まず、会社情報を全て閲覧できるかどうかです。もう1つは、契約書の細かい部分まできちんと読んでおく事です。
会社情報は全て閲覧可能か?
貸金業の場合は法律上、会社名や代表者名、住所、固定電話の番号などの会社情報が明示されています。ところがファクタリング会社の場合、法規制がありませんので、こうした情報を明示する義務はありません。このため、会社情報が全て閲覧できない業者があるのです。
本社情報が分からない、固定電話ではなく携帯電話の番号が書いてあるなど、会社情報に不備がある業者は問題です。酷い業者になると、一部の情報が閲覧できない事もあります。会社情報がすべて閲覧できる事は、良質な業者の最低条件といえます。
契約書を細かい部分までしっかり読む
法規制のないファクタリング業界ですが、手数料の相場というものはあります。2社間で10~30%、3社間で5~10%が相場です。信頼できる業者ならば、こうした手数料がしっかり書かれています。
悪質な業者は、たとえ相場を超える手数料であっても、契約書に分かりやすく書かれていない事が多いです。バレないように、契約書内に書き込んでおくのです。気がついたときには、後の祭りだという訳ですね。
そうした事態を招かないようにするためには、契約書は細かい部分までしっかり読む事が大切です。しっかり読んでおけば、手数料が相場より高い事に気づく可能性が高いです。そこに気がつけば、契約前に悪質な業者から逃げられるという訳ですね。
悪質なファクタリング業者を見抜くためにはファクタリングの知識が必要不可欠!
将来的にはともかく、法整備が不完全な現状では、悪質なファクタリング業者の淘汰は期待できません。自力で悪質な業者を見抜く事が自己防衛で重要になってきます。そのためには、ファクタリングの知識をある程度身につけておく必要があるのです。