ファクタリングを何度も利用しているなら考えて欲しい3つのこと

ファクタリングは資金調達に便利なシステムですが、継続利用する上で気を付けておくべき事や、理解しておくべき事があります。このポイントを抑えておかなければ、ファクタリングが企業にとってマイナス要素になりかねません。ファクタリングは、一般的な融資よりも資金を調達しやすいですが、便利だからと容易に利用し続けていると、落とし穴が待ち受けています。

ファクタリングを継続利用する上で考えて欲しいこととは何?

ファクタリングを継続利用する上で考えて欲しいこととは何?

ファクタリングで発生する経費

ファクタリングを使用する場合、手続きの際に経費がかかります。主な経費は手数料で、一般的に受けられる融資よりも高く付きます。2社間ファクタリングの場合は特に高く、売掛金総額の10~30%の手数料が発生します。ビジネスローンの年利と比較してみると、案外ファクタリングの方が手数料が高かったという事はザラです。

手数料だけじゃない経費

手数料だけでなく、印紙代、公正証書作成、確定日付の付与などに費用がかかってきます。時には、売掛金の受取権利がファクタリング会社に移った事を公的に証明する為に、債権譲渡登記の費用で数万円の費用が発生する事もあるのです。その他、ファクタリング会社によっては事務手数料が上乗せされるケースもあります。

ファクタリングは、融資などの手続きよりも時間がかからないのがメリットですが、費用がかさむ事を忘れてはいけません。どれほどの経費がかかるのか、事前に調べておく必要があります。

悪徳業者に当たる可能性がある?

悪徳業者に当たる可能性がある?

ファクタリング会社には様々あり、中には悪徳業者も存在します。ファクタリング会社は、金融庁に監督されておらず、大手の参入も少ないのが現状です。無法地帯といっても過言ではない環境で、初めてのファクタリングに臨むなら十分注意が必要です。

手数料に多額な費用を請求してきたり、追加で費用を請求されたりとい被害も出ています。
いくら他のファクタリング会社よりも手続くが早いからといって、費用を割高に払わなければならないケースはグレーゾーン。早く資金調達をしたいからといって、他の会社と比較せずに決めてしまうのは危険です。

契約中の業者が実は悪徳だった場合

悪徳な場合、ファクタリンク会社を装った闇金融であるパターンが多いです。怪しいと思ったら、契約書の内容を再度確認してみるべきです。闇金融が絡んでいるファクタリング会社は、売掛金を融資に対する担保として扱い、取引先からの入金有無に関わらず返済を迫ってきます。

そうして金を巻き上げるのが狙いなのです。そんな非道ができるかどうかの判断材料として、契約書の中に「万が一、取引先からの支払いに問題があった場合、利用者側がその責任を追わない(返済義務がない)」という一文があるかどうか確認しておく事が必須。途中で悪徳である事に気付いたら、弁護士に相談するのが先決。警察や消費者センターでは、詐欺案件としてお金を取り返すまでの力がないのです。

どれだけ長い付き合いでも契約書の取り交わしは必須

付き合いが長くなると、口約束で話が進んでしまうケースもあり得ますが、ファクタリング会社との契約書は必須です。というのも、悪徳でなくてもいつの間にか違法行為に手を染めてしまう場合も少なくないからです。正当な内容で取引できる様に見せかけて、慣れた頃に手のひらを反す場合もあるのです。

付き合いが長くなっても、お金が絡む事には必ず契約書を交わし、文言もしっかりとチェックしておく事が身を守る為の最善です。更に、契約書の内容は不明点がない様にしておくのがベスト。いざという時に弁護士をつけても、当人が内容を理解していない状態では戦いようがありません。

ファクタリング契約自体が負担になっていないか?

ファクタリング契約自体が負担になっていないか?

ファクタリングをして資金調達ができるのは良いですが、手数料や費用を踏まえてみてみると、ファクタリングをする事自体が負担になっているケースがあります。

赤字であるかどうかではなく、独自の審査基準で判断してもらえるのは魅力ですが、安易にファクタリングに逃げるのはおすすめできません。事前にしっかりと調べた上で、プラスになるのか考えるべきです。

財務状況の改善ができていればファクタリングは不要

企業が成長する為に、時には資金が必要になる事があります。しかし、財務状況がある程度改善できている、改善の兆しがある場合は、ファクタリングに頼る必要はありません。借りた物は返す必要があります。

信用情報といった書面には負債として残らなくても、企業が背負うマイナス(手数料)である事には変わりないのです。いざという時の為のツールというポジションとして、ファクタリングとの距離間を保つ必要があります。

ただしリスクヘッジを考えると大企業は少額でも契約を残している

ファクタリングの大きなメリットとして、資金調達がしやすい事だけではありません。ファクタリングは、企業のリスクヘッジにも一役買ってくれるのです。2社間と3社間の種類がありますが、主に中小企業が利用している2社間ファクタリングでは、売掛元に償還請求権が生じないのが特徴です。

償還請求権が発生しないという事は、売掛先の倒産や不渡りを出した場合でも、ファクタリングを利用して資金調達を行った会社に返金する必要がないという事です。売掛先の会社に道連れにされて負債をおったり、倒産になったりするくらいならば、数%の手数料をかけてでもファクタリングをするのが得策なのです。

また、どんなに莫大な資金を持つ大企業でも、不景気によって思う様に融資を受けられない場合もあります。銀行だけの融資に頼らずに、資金調達を多様化する意味で、ファクタリングの利用を細々と続けているのです。こういったリスクヘッジを行って、身を守っている大企業は多いです。

ファクタリングの継続利用は財務状態で再検討すべき

ファクタリングの継続利用は財務状

ファクタリングは金融機関よりも審査が軽く、比較的早く資金調達ができますが、頼りっぱなしでは進歩がありません。継続利用は財務状況で再検討し、ファクタリングに頼らない経営に軌道修正していく事が一番です。ただ、リスクヘッジの面でみてみると、ファクタリングの使い方によっては、継続利用も有意義な選択。

大企業ならば子会社を守りたいのか、中小企業なら資金繰りの足しにしたいのか、何を守る為にファクタリングをするのか目的を明確にする事も大切です。財務状況を定期的にチェックして、上手にファクタリングを活かせる様に再検討する事が企業の将来にも関わってきます。