現在、日本にあるファクタリング業者の数はおよそ100社。ここ数年で一気に増えました。100社以上ある中から自社に合ったファクタリング業者を探すのは至難の業です。
そこで良くも悪くも注目されているのが、ファクタリングの中間紹介業者です。申込者の状況をしっかりと把握して最適なファクタリング業者を紹介してもらえればいいですが、逆の場合は注意が必要です。最悪の場合、ファクタリングができないどころか、悪質な手口によって大事な会社を潰してしまうことにもなりかねません。
ここでは、ファクタリングの中間紹介業者とは何なのか。そしてその目的とは何なのかということを解説していきます。
ファクタリングの中間紹介業者とは何?
ファクタリングの中間紹介業者とは、ファクタリング会社に顧客を紹介する役割を持ったサイトや専門会社のこと言います。
日本ファクタリング協会所属の中間紹介業者
中間紹介業者として信頼できるのが、一般社団法人日本ファクタリング協会に所属している業者です。この日本ファクタリング協会には、厳しい審査をくぐり抜けたファクタリング関連の法人が所属しています。
中間紹介業者のほとんどは、主にファクタリング業者を紹介するサイトの運営などを行なっており、ファクタリング取引自体は行なっていません。紹介されるファクタリング業者も、日本ファクタリング協会の会員法人であるため、ある程度の信頼性は確保できる業者といえます。
コンサル業が行なっているケース
企業コンサル業が、資金繰りの一環として中間紹介業者の業務を行なっているケースです。企業コンサルはひと昔前に比べ爆発的に増加した職種です。中小企業を中心に、企業経営はもちろん財務関連やコンプライアンス関連など様々なコンサル業務を手掛けています。
こうしたコンサル業が、クライアントである中小企業の資金繰り改善のために行なっているのがファクタリング会社の中間紹介業務です。銀行融資と違い、一般のファクタリングでの審査対象は売掛債権と売掛先です。コンサル業のクライアントは、企業経営の改善や成長のためにクライアントと契約しています。赤字経営から脱却したい、運転資金を上手にやりくりしたいなど、資金系の問題を抱えている法人は少なくありません。
こうした法人に対して、提携しているファクタリング会社を紹介することで、包括的にコンサル業の売上もアップさせる狙いがあるのです。
ファクタリング中間業者の目的は?
先ほども少し触れましたが、ファクタリング中間業者の目的は、どのような業者が中間紹介業務をおこなっているかでも変わってきます。ここでは2つの目的について解説していきます。
提携会社へ送客すること
最も多いのが、提携しているファクタリング会社に送客することです。中間紹介業者から送客されたクライアントがファクタリングを利用し、その利用手数料の中に提携会社への送客マージンが支払われる仕組みです。
紹介業はどの業界でもそうですが、お金にならなければ利益を生みません。紹介するだけではなく、送客先でサービスを利用してもらって初めて利益が生まれるのです。
ファクタリングの知名度・認知度向上のため
ファクタリング業者数が増えたといっても、ファクタリング自体の知名度や認知度はまだまだ低いのが現状です。コンサル業を中心に、ファクタリング会社へ送客してサービスを利用してもらい、その上でファクタリングそのものの知名度や認知度を上げる事が目的の業者もあります。
ほとんどのファクタリング業者がそうであるように、ファクタリングの仕組みなどを細かく解説したコラムや解説記事は、こうした認知度向上の役割も担っているのです。
中間紹介業者を利用するデメリット
ファクタリングの中間紹介業者を利用するデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
手数料が上乗せされる場合もある
最近はあまり聞きませんが、ファクタリング手数料が上乗せされることもあります。中間紹介業者の収益は、紹介料がメインです。利用者がファクタリングを利用しないと収益につながりません。その為、中間紹介業者を使った場合と、直接ファクタリング会社に申し込んだ場合では手数料が若干変わることもあるのです。
悪徳業者に繋がれるリスクも
先ほど述べた日本ファクタリング協会など、ある程度社会的に認知されている機関の認定などを受けていれば安心できますが、そうでない中間紹介業者の場合は、悪徳業者を紹介されてしまうケースも少なくありません。手数料が上乗せされてしまい、融資以上の経費が掛かってしまうこともあります。
中間紹介業者を利用する際に注意すべきこと
ファクタリング利用時に中間紹介業者を介して、優良ファクタリング会社を選ぶ際には次のことを注意してください。
- 紹介される会社の詳細な会社情報がインターネット上で開示されているか
- 中間紹介業者、ファクタリング会社双方の契約書を発行されているか
それぞれを詳しく解説していきます。
紹介される会社の詳細な会社情報がインターネット上で開示されているか
中間紹介業者も、1社だけの提携という訳にはいきません。複数社の候補の中から利用者に最適なファクタリング会社を選ぶのが最低限の役割です。しかし、選んでくれる会社の実情が実は悪徳会社であることもあります。
悪徳会社が自社の資産を守るためには、それなりのチェック項目を確認する必要があります。一番の情報源はインターネットのホームページと法務局で閲覧できる会社登記情報です。ホームページ上に開示されている情報の内、設立年月日や代表者名、住所など基本的な情報が載っていることを確認してください。
もし万が一、下記の基本情報が無い場合は要注意です。
- 会社名
- 代表者名
- 住所(自社ビルの写真などあればなおOK)
- 固定電話番号
- 設立年月日
- 事業内容
中間紹介業者、ファクタリング会社双方の契約書を発行されているか
ファクタリング会社を紹介される場合、契約書はファクタリング会社と中間紹介業者の2枚が必要です。もし中間業者の契約書が無ければ、仲介手数料などを証明するエビデンスになりませんし、なによりお金が絡むのであれば契約書は必須です。
契約書が無い中間紹介業者には注意をしておいた方がいいでしょう。
ファクタリング初心者は信頼できる中間紹介業者を選ぶべき
特にファクタリング取引自体が初めてという企業は、信頼できる中間紹介業者を選ぶべきです。前述した日本ファクタリング協会の認定を受けている業者や、口コミ上位の業者など、外部からも評価されている業者であれば多少は安心です。
自社の資産を守れるのは社長である自分自身です。売掛債権を早く資金化したいからといって、業者選びを焦らないようにしてくださいね。