2020年の債権法改正に先立ち、ファクタリング業界は、新規参入のファクタリング会社が増加傾向にあります。手数料の安さやスピーディーな資金調達などをウリに顧客の囲い込みに奔走しています。
その一方で、激化競争の中にあっても安定した経営を続けているのが老舗のファクタリング会社です。
長年にわたり培ってきたノウハウは、利用者にとって安心できる材料です。つまり、老舗のファクタリング会社は信用度が高く、運営歴の長さは信頼度が高い証ともいえるのです。
老舗ファクタリング会社の信用度が高い理由
老舗ファクタリング会社の信用度が高い理由として、取引実績の数や口コミなど利用者の評価が挙げられます。「継続は力なり」といいますが、老舗ファクタリング会社のコツコツと積み上げてきた歴史が、利用者からの支持の多さにつながっているのです。
取引実績の多さは信頼の証
ファクタリング取引の実績は、継続して取引している企業が複数あること=多くの企業に信頼されていると判断できます。もちろん、一回限りの取引で終了することもありますが、資金繰りの根本的改善のために、複数回継続してファクタリング を利用する企業も多いのが事実です。
事実として、トヨタなどの大企業も財源状況の安定化のためにファクタリングを行ない、ファクタリング費用を収支報告書に記載しています。大企業と取引しているファクタリング業者だから大丈夫ということではないですが、それなりの信頼度を測るパロメーターになることも事実なのです。
継続して取引を行なう企業(顧客)が多いファクタリング会社ほど、信頼されている会社であると判断できるのです。
口コミを多方面からチェックできる
インターネットには、あらゆる情報が開示されています。ファクタリング会社の評判を利用者からの口コミで詳しくチェックすることが可能です。また、ファクタリング会社の評価をランク付けした比較サイトもあります。
実際に利用した人の声は信憑性があり、ファクタリング会社を利用する際の重要な資料として活かすことができるのです。老舗ファクタリング会社は、取引実績も多く、比較サイトなどで多くの良い口コミや、ランキングが上位にある会社も多いです。
口コミをチェックする場合には、良い口コミだけではなく、悪い口コミも積極的に探してください。悪い口コミは、リアルな感想が書いてあることが多いです。接客の様子はもちろん、手数料や取引時のスムーズさなど得られる情報は多ければ多いほど優良業者探しに役立ちます。
運営歴の長さは信頼度を測るバロメーター?
会社を立ち上げるのは難しいことではありません。立ち上げた会社を長きにわたり運営させることがなによりも難しいことです。
ファクタリング会社≠貸金業者ではないものの貸金業登録をしてある
ファクタリング会社を立ち上げる際、貸金業の登録は不要です。ファクタリングは、売掛債権の売買契約です。ファクタリング会社が利用者に支払う資金は、売掛債権の購入代金であり、貸付ではないため、ファクタリングは貸金業には該当しません。
しかし、貸金業登録は正式に国や都、市から認められた証でもあります。老舗会社ほど、貸金業登録の更新回数も多く、それだけ行政はもちろん民間のユーザーに対してもきちんとした経営を行なっていると認識されています。
ファクタリング会社と貸金業者は決してイコールではありませんが、優良なファクタリング会社ほど、行政に対する説明責任や届け出はきちんとしている会社が多いのも事実なのです。
貸金業法で定められている貸金業登録と更新回数はここを見ろ!
貸金業法で定められている貸金業登録と更新回数は、主に企業名に付帯して表示されているケースが多いです。
“近畿財務局長(12)第00000号”
という風に、( )カッコ内の数字が多く、逆に登録を受けてから数年程度しか経っていない会社は( )カッコ内の数字が少なく表示されています。
過去に社会問題になった闇金業者などはこの( )カッコ内の数字が「1」で、摘発されるたびに新たに申請を上げているということがありました。悪徳業者が貸金業とファクタリング業を兼任しているときには、この( )カッコの中の数字に着目してください。
老舗≠優良業者なのか?
老舗ファクタリング会社の全てが優良業者といえるのでしょうか。ここでは老舗会社が優良業者でないと見抜くためのヒントについて解説していきます。
貸金業からファクタリング業に鞍替えしているならファクタリング業務開始日から起算する
冒頭でも述べたように、ファクタリング会社は年々増加傾向です。これまで貸金業しか行なっていなかった金融商社もファクタリング部門を立ち上げるなど、ファクタリングに対するビジネスチャンスに乗り遅れまいとしていることも事実です。
そういったファクタリング会社は、本家本元の創業年数が長くとも、ファクタリング業を開始したのは、かなり最近ということになります。この場合は、ファクタリング業務をいつ開始したのかということをチェックしなくてはいけません。
社歴など、インターネットで調べられれば問題ありませんが、他にも口コミ件数をチェックするなど多方面から情報収集をする必要があることを覚えておいてください。
エセ老舗の悪徳業者に要注意
エセ老舗というのは、ホームページ上でいかにも老舗という風な広告を出しているファクタリング会社のことです。実際、老舗=優良業者と考えるユーザーは少なくありません。そうした固定観念での申込を狙うためにわざとホームページ上で創業20年や創業から何百万件の取引実績!というコピーを多用しているのです。
実際、創業年は古くとも、実際には金貸しでもなんでもない卸し売り会社だったという場合もこれから多くなってくるはずです。経験のないファクタリング会社ほどタチの悪い会社はありません。悪徳業者よりも始末に負えない場合もあります。
エセ老舗には充分に注意してください。
ファクタリング会社の社歴や実績は信頼度に繋がるが、まずはしっかりチェックして!
ファクタリング会社の老舗、運営歴について解説してきました。ファクタリング会社の創業歴や運営歴は、信頼の証として判断することも可能ですが、それを利用している業者もいるということを忘れないでください。
自社の大事な資産を守るのは、行政でもファクタリング会社でもありません。自分自身の知識なのです。