熊本地震からの復興需要で県全体の景気が改善傾向にある熊本県。しかし最近は年商1億円以下の中小零細企業の倒産や休廃業・解散が増加しています。
近年、中小零細企業の経営者から注目を集めている資金調達方法「ファクタリング」をご存じですか?売掛債権を入金期日前に資金化する合法的な金融工学です。
今回は、熊本県の苦しい立場にある主要産業を救済してくれるファクタリングについて詳しくまとめていきます。
熊本県の経済特性とは?
熊本県の経済についてもうおさらいしていきます。主要産業と地域の特性、減収傾向にある産業について解説していきます。
熊本県の主要産業と地域特性
熊本県の主要産業は、第二次産業である製造業が挙げられます。次いで第三次産業の卸売・小売業、医療・福祉業と続きます。この3業種で熊本県経済の半分以上が占められています。
製造業では電子部品・デバイス製造業、輸送用機械器具製造業、生産用機械器具製造業の3業種で製造業全体の出荷額の40%強を占めています。特徴的な業種として「ゴム製品製造業」が挙げられます。出荷額構成比は全体の3%程度ですが、特化係数が高く、全国ランキングでは2位となっており、全国的に見ると非常に特徴的な業種であることが分かります。
肥沃な土地を活用した農業も盛んです。農業産出額は全国7位(九州3位)で、トマト、い草、葉タバコ、宿根カスミソウ、スイカが全国1位の出荷数を記録しています。畜産業も盛んなことで知られており、出荷額全国ランキングのトップ5に毎年入っているのも特徴です。漁業では有明海の海苔、車海老、真珠の養殖が有名ですね。
第三次産業は医療・福祉関連業が成長しており、今後の高齢化社会に向けて県全体で積極的に従事者を増やしていることが分かります。
熊本県の減収傾向にある産業
熊本県の減収傾向にある産業は、農業が挙げられます。原因は後継者不足と安定していない収入です。特に中小企業や個人事業主といった資産規模が小さい農家、農業法人が苦戦しています。熊本県は長寿県としても知られていますが、長寿であればあるほど農業に従事する労働人口が減り、後継者不足となってしまいます。
安定しない収入とは、最近ではとくに天災による出荷額の減少が顕著です。西日本豪雨や地震の影響で多くの農家が大きなダメージを受けました。復興したと思っても、毎年不安定な天候が続き、安定した収入を手にすることができずに、廃業を決意する農家も少なくないのが現状です。
安定した収入が無ければ、設備投資などを計画的に行なうことができず、効率的な農場経営をすることが難しくなってしまいます。ファクタリングは、売掛債権を入金期日前に資金化する資金調達方法です。農業のような収入が不安定な業種であっても、ファクタリング取引が可能で、例え申し込んだ農家さんの経済状況が火の車であっても、資金化ができるというメリットがあります。
ファクタリングを年間の予算計画に組み込むことで、確実な利益確保と設備投資の為の資金調達ができます。農家に限らず、全国の中小企業経営者から注目を集めている理由には、そういった資金繰りの健全化が大きな理由です。
熊本県減収産業の資金繰りを改善させる為のファクタリング活用方法
ファクタリングは売掛債権を早期資金化する合法的な資金調達方法です。最近の農家経営は、市場出荷がメインだったひと昔に比べ、道の駅や地元スーパーの産直コーナーへの出荷など、販売先が多岐に渡っているのが特徴です。
しかし、こうした販路拡大で懸念されるのが、売上金が入金されるタイミングによって経費の支払いができなくなるという事です。特に、播種期や収穫期など人手が必要な時には、人件費が多く発生してしまい、その経費を調達するのにも一苦労するのが本音でしょう。
こうした売掛先からの入金サイクルと資金サイクルを健全化させるのが「ファクタリング」です。ファクタリングはJAなどの長期低金利融資などと違い、売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらうことで資金化する方法です。その為将来的な負債にもならず、スピーディーに必要な分だけの資金調達が可能になるのです。
例えば、道の駅での売上金の入金が月末締めの翌月25日払いだったとします。夏の繁忙期であるお盆時期には秋野菜の播種をしなくてはなりません。しかし売掛金としての売上はあるものの、秋野菜の播種をするための資金が無いという状況が生まれてしまいます。
こうした状況を助けてくれるのがファクタリングです。売掛金の全て、もしくは一部をモノとしてファクタリング業者に買い取ってもらうことで、金策を行なわなくても、借金にならない資金調達が可能になるのです。
ちなみに、ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという二通りの方法があります。農家経営に多い個人事業主の場合、選択できるのは3社間ファクタリング(売掛元、売掛先、ファクタリング業者の3社間)のみになります。
法人であれば2社間ファクタリング(売掛元、ファクタリング業者の2社間)を選べますが、個人事業主は2社間ファクタリングを選ぶことができません。売掛債権譲渡契約は原則、法人しかできないという法律がある為です。
個人事業主でファクタリングを行なう場合には、契約している売掛先との交渉も必要になることを覚えておきましょう。
ファクタリング業者の選び方とは?
ファクタリング業者は年々増加しています。しかし全ての業者が自社に合った業者とは限りません。ここではファクタリング業者を選ぶ基準について解説していきます。
地元ファクタリング業者は?
熊本県内に事業所があるファクタリング業者はほぼありません。熊本県近郊にあるファクタリング業者は福岡市に集中しています。ファクタリングは大事なお金を扱う取引の為、担当者と顔を合わせて交渉したいと考えるのが普通です。
最近の業者は、こうした企業側のニーズを汲んで出張面談や電話相談、テレビ電話面談などに対応しています。柔軟な対応をしてくれる業者は、判断基準の一つの指針になると言ってもいいでしょう。
インターネット受付専門のファクタリング業者
ファクタリングの最終目標は、売掛債権を資金化することです。融資と違って、資金化するための審査は売掛元ではなく、売掛先になることも重要なポイントです。最近では出張面談などを一切行わず、申込から審査、入金までを全てインターネットで完結してくれる業者も多くなってきました。
インターネットだけでやりとりをするため、不安な部分が大きいかも知れませんが、ファクタリングの目標は資金化することであって、担当者と信頼関係を築くことではありません。
逆に出張経費などを使う必要が無いため、手数料が他の業者よりも優遇している業者もいます。ファクタリングは融資では無いため、利息などは発生しませんが、手数料が発生します。手数料は業者によっても違いますが、売掛債権の5%~30%が相場です。
安ければ安いに越したことはありませんし、手早く取引できるのであれば、地元業者である必要もありません。業者を選ぶ基準として覚えておいて頂きたいのは「資金化できるか否か」、「手数料」、「売掛元業種の取引実績があるか」という点です。その点は融資と全く違うということを念頭に入れて業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
熊本県農業の資金繰りを改善させるファクタリングについて解説してきました。売掛債権の入金サイクルの悪化は、農業だけに限った話ではありません。製造業や医療・福祉業など多くの業種が利用できます。売掛債権があればファクタリング取引が可能ですので、資金繰りに困ったらまずはファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか?