このように悩む事業者は少なくありません。売掛金が入って来ないことで取引先の心配をしている暇はありません。自分の会社の売り上げが入って来ない状態を解決することが先決です。
後日払いやツケ払い、掛払いなどの「代金を後日受け取る契約は信用取引といわれています。」。支払期日に支払ってもらえないということは、信用を裏切る行為として世間一般では捉えられているのです。
どんなに催促しても支払ってもらえる見込みがない場合には、売掛金の回収専門業者に依頼して代金の回収を行なうのも方法の1つです。
ただし1つだけ注意してください。売掛金回収業者の中には、許可を得ないで営業をしている業者がいるとされています。
悪質でない売掛金回収業者を選ぶには「法務省認可」があるのかが重要な判断基準です。法務省認可がない回収業者の場合は、悪質な業者の可能性があります。
取引先から支払ってもらえない売掛金を回収することは確かに大事です。しかし悪質な回収業者に回収業務を依頼することで、余計な支出をする羽目になるのだけは避けなくてはなりません。
参照 売掛金が回収不能になったときの対処法 売掛金問題を解決と防止するための5つの方法
目次
売掛金回収業者を使うメリット 効率よく売掛金を回収できる
自分で売掛金を回収するのではなく、売掛金回収業者に代わりに回収作業を依頼するメリットは数多くあります。
とくに大きなメリットは次の3つです。
回収作業を依頼するためコストはかかりますが、それだけの価値はあることでしょう。ただし未回収の売掛金の金額と回収業者への依頼料のバランスは大事です。
売掛金回収に悩まず経営に集中できる
売掛金の回収がなかなかできないと、メンタル的にも資金的にもストレスになり、他の仕事にも支障が出てくる場合があります。
支払いをしてくれない取引先とのやり取りほど、無駄なものはありません。回収業務など、取引先が支払いの約束さえ守ってくれれば、必要のない業務なのです。「時は金なり」というように、その時間で新たな事業を展開する方が、よほど会社の将来のためになります。
本当にすべきことに集中するためにも、売掛金回収会社の利用して回収業務を代行してもらうことは「時は金なり」のためのメリットになるのです。
だからこそ、回収業者に依頼するという方法があるわけだ。
取引先が支払いに応じやすくなる
売掛金回収業者を利用することで、取引先に対して「法的な手続きも簡単に取れますよ」という意思表示ができます。
支払期日を過ぎても売掛金の支払いをしない取引先が相手の場合には、売掛金回収業者を利用することで、こちらの本気さも伝わりますし、後に裁判などの訴訟を起こす際にも有利となります。
回収業者は法務省から認可を受けることで営業しています。その認可を受けるためには、常勤の取締役に「弁護士」がいなければなりません。つまり回収業者の回収業務は法律にのっとったものとなるのです。
代金を支払わない取引先にとって「売掛金回収業者を利用すること」自体が見えない圧となって、取引先にのしかかります。取引先に悪意があって支払いを行なっていないのではあれば、裁判で負ける可能性は十分高くなります。
裁判に負ければ裁判所命令によって強制的に支払いをしなければなりませんし、裁判で発生する費用や時間もかかってしまいます。
よって自分に非がある分かっている取引先の場合は、こちらが回収業者に回収業務を依頼したことが分かった時点で、自分がどれだけ不利な状況にいるのかに気づき、渋々ながらも支払ってもらえる可能性が高くなるのです。
コンプライアンスを優先できる
自分で取引先に売掛金の催促を行なう場合、回収業務がストレスとなり、法的なボーダーラインを超えてしまう恐れもあります。確かに支払うべき代金を支払わない取引先に問題があるのですが、催促の仕方に問題があると相手から迷惑行為と判断されてしまうこともあります。
すると話は変わってきて、催促している側が不利な状況になってしまいかねません。場合によっては訴えられてしまいます。
売掛金回収業者は弁護士が回収業務を管理・監督しているため「コンプライアンスを優先した回収業務」ができます。
コンプライアンスとは法令を守ることです。つまり法律にのっとった回収方法で、取引先から代金を回収できるのです。これは非常に大きなポイントです。
どんなことをしてでも回収!相手の嫌がることをしてでも回収!
もしも裁判になったとき、少しでも有利に話を進めたいのであればな。
売掛金回収業者を使う2つのデメリット
一方で、売掛金回収業者に依頼することで発生するデメリットもあります。
- 回収コスト(依頼料)が発生する
- 想定外の損失をする可能性がある
回収コスト(依頼料)が発生する
売掛金回収業者を利用すると、どんな回収業務であっても依頼料が発生します。売掛金回収業者は、手数料や依頼料で利益を出しています。
もし回収業務がこじれてしまい、裁判などの法的回収業務が発生すると、費用が別に必要となるケースがあります。すると予定よりも回収コストの負担が大きくなる可能性が出てきます。
- 手数料
- 訴訟の場合は裁判所に納める費用
- 諸費用(交通費や日当、調査費など)
諸費用は書類を作成する際に発生する印紙代や交通費も含まれています。売掛金の金額と回収コストのバランスを考えないと、売掛金回収業者に依頼することで利益が大幅に減ってしまう可能性もあるのです。
予定外の損失をする可能性がある
売掛金の回収業務は自分で行うことができます。ただし回収業者に依頼したほうが手間がかからないという点ではメリットです。とはいえ、代理業者に依頼するということは依頼料がかかってくることも事実です。
たとえば内容証明は自分で作成することができます。作成したものを郵便局に持っていきチェックしてもらい郵送するだけです。この内容証明の作成を回収業者に依頼した場合には、数万円の依頼手数料が発生する可能性があります。裁判をしないと回収できない場合は、弁護士や売掛金回収業者に依頼すべきですが、それ以外の回収業務であれば、自分でやり方を調べて行なった方がコストが安く付くのです。
悪質な売掛金回収業者には注意!許可が下りている業者かチェック
売掛金の回収業者の中には、許可を受けておらず悪質な業者が存在するとされています。
どんなに気を付けていたとしても、業者からの接触は避けようがありません。しかし適切な知識を身に付けておくことで、悪質な業者から被害を受け無くなります。
まず悪質業者については、法務省でも警鐘を鳴らしています。
参照 債権回収会社と類似の名前をかたった業者による架空の債権の請求に御注意ください(法務省)
法務省が警戒している手口の多くは「債権譲渡を受けた」として、架空の債権を請求しているケースです。
つまり「あなたが取引先に支払う予定の買掛金を私に支払ってください。私はその権利をあなたの取引先から譲り受けました。」
といった内容です。
あたかもあなたの取引先に債権回収の依頼を受けたかのように接触してくるのです。うっかり悪質な業者に支払いをしてしまわないように、取引先にどれくらいの売掛金があるのか、しっかり把握しておくことが大切です。
また、あなたの親族にあたる人の債務であったとしても、保証人等になっている場合でない限り、請求が届くことはありません。お金関係のトラブルは誰でも避けたいものです。冷静に詐欺かどうか見極められるように、悪質な業者のポイントを覚えておきましょう。
- 法務省の許可を得ていない
- 脅し文句が入っている心当たりのない請求
- 非常識な取り立て行為
- 出会い系やアダルトサイトの利用料を請求してくる
- 法務省を名乗る機関や文書
法務省の許可を得ていない
売掛金回収ができるのは、法務省から許可を得ている業者のみです。
許可を得ている業者かどうかは、法務省のホームページを見ればすぐに分かります。
身に覚えのない請求がきた場合、まずは回収業者の名前が掲載されているかどうかチェックしてみましょう。
法務省認可を受けた業者一覧はこちらのホームページに記載されています。
もし法務省のホームページに記載されていない場合には、まず法務省に直接相談してみるとよいでしょう。
脅し文句が入っている心当たりのない請求
心当たりがない上に、支払いを急かすようなワードが入っているものも注意が必要です。
- 裁判になる
- 給料や不動産の差押さえをして強制執行する
- 勤務先に集金に行く。出張旅費もあわせて請求する
- 信用情報機関のブラックリストに登録する
このような支払いをせかすような言葉を受け取ったとしても、すぐに支払ってはいけません。悪質な業者はあらゆる脅し文句を使って支払いをさせようとしてきます。裁判や勤務先に行くといった具体的な内容が入っていると現実味を帯びてしまい不安になってしまいます。
どんなに現実味のある言葉でも、実際には発生していないお金を一度でも支払ってしまうと取り戻すのは困難です。
非常識な取り立て行為
悪質な業者の中には、何度も繰り返ししつこく連絡を取ってくる業者もいるとされます。本当に法務省から許可を得ている業者ならば、回収業務に関わる電話連絡が可能な時間帯は8時~21時と決まっています。早朝や深夜の電話による催促などはしてきません。
正式な回収業者の回収は法律に基づいた回収行為となります。非常識な取り立てを行なう場合は悪質な業者である可能性が高いです。
出会い系やアダルトサイトの利用料を請求してくる
債権回収業者は、どのような債権でも回収するわけではありません。たとえばあなたが個人的に閲覧したアダルトサイトや利用した出会い系サイトの利用料は、未納であったとしても回収業者から請求されることはありません。
回収できる売掛金の種類は、法務省の認可条件にも明記されています。いざとなった時に、焦って入金してしまわないようにしましょう。
法務省を名乗る機関や文書
「法務省から依頼を受けた」と言われればそれらしく聞こえますが、法務省からわざわざ売掛金業者へ依頼をすることはありません。ただし、法務省の名前を騙って取り立て行為を行なっている回収業者も存在するそうなので注意が必要です。
- 法務省認可特殊法人
- 法務省認定特別法人法務省認定債権回収業者加盟店
実際に上記のような名前の機関は存在しません。文書などの通達でこのような文言が入っている場合には、詐欺業者の可能性が高いため、すぐに警察などに通報してください。
また、業者名だけに法務省というワードが使われているわけではありません。「法務省認可通告書」や「電子情報処理組織」、「その他の情報通信の技術を利用する方法での法務省認定通達書」などの制度もありません。怪しい請求書や文書が送られて来た際には、次のポイントにも注意してください。
- 目隠しシールのないハガキでの請求や督促
- 連絡先として多数の電話番号が並んでいる
- 請求書面で担当者の連絡先として携帯電話を指定
- 個人名義の口座を回収金の振込先に指定
このような内容や法務省に関係している文書だと騙っている場合、一切関わらないことが賢明です。もし不安を感じるようならば代金を支払う前に、警察署や弁護士へ相談してみるとよいでしょう。
また架空の債権請求は犯罪であるため、送られてきた違法な請求書は証拠として残しておきましょう。怪しい請求がきたら、まずは冷静になって社内確認を徹底しましょう。
なのでそもそもの話だが、資金調達や資金繰りを改善させ未払いの買掛金はすぐに支払うべきだろう。
売掛金回収業者選びの基準は「法務省認可」の有無
未回収の売掛金を回収してもらうよう業者にお願いする際には、まず法務省の許可を得ている正式な回収業者を選ぶことが大切です。つまり法務省の認可業者一覧表に社名が掲載されている業者の中から選べばよいのです。
ただし社名だけではなく、住所や電話番号、代表者名なども確認してください。今はインターネットで色々な情報が調べられますが、その情報が正しいものであるかの確認は必須です。もしもしホームページの情報と法務省一覧表の情報が違っていたら、許可されていない業者である可能性があります。そのような業者を利用した場合、トラブルに巻き込まれてしまう可能性があるため利用しないことをおススメします。
また、もし弁護士や税理士といった士業に知り合いがいるようなら、回収業者を紹介してもらうとよいでしょう。
士業は職業柄、債権回収業者の知り合いがいるものです。
自社で回収するのか、代行業者にお願いするのかは、回収すべき売掛金の金額と回収コストを比べて考えてみるとよい。
ただし業者にお願いしたほうが、回収できる成功率は高くなりやすいのは確かだ。
よくある質問
債権回収会社とは何ですか?
特定の金融債権の管理であったり回収を行うことのできる会社です。
もし取引している会社に買掛金を支払っていない場合、債権回収会社から連絡を受ける可能性があります。
また取引先から売掛金の入金がない場合、債権回収会社に依頼をして回収を代行してもらうことができます。
債権回収会社は沢山あるのですか?
法務省から許可を得なければ債権回収業務をすることはできません。許可を得ているかどうかは法務省の専用ページに掲載されています。
売掛金が回収できない場合の対策は?
売掛金が回収できないときの対策は、自社で催促を行うか、債権回収業者に回収を依頼することができます。
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