「放課後フリースペース Cozy Rosy」では、小中学生に向け「誰でもいつでも気軽に行ける場所」を提供するべく活動しています。
今回のクラウドファンディングを活用し、フリースペースの年度内の活動運営費を募集しています。
参照 小中学生向け放課後フリースペース立上げ|年度内活動サポートのお願い
このスペースの目的は多岐にわたり、宿題や課題などを行う場、塾に通わない子供たちがつまずく学習面でのフォロー、コミュニケーションを取れる場といった、「子どもが行きたい時に行ける居場所」という側面で、家庭や学校の「ささやかなお手伝い」ができる場として活動を行っています。
言うなれば「家庭でも学校でもない第三の居場所」という役割です。
そしてこのフリースペースの利用料は無料に設定しています。金額の大小にかかわらず、利用料金が発生することが子ども自身の「行く・行かない」の自由な選択に少なからず障害になると考えたためです。
しかし何かしらの活動をするためには、どうしても運営費が必要となってきます。そこでかかってくる運営費をクラウドファンディング募っているのです。
目次
教育に携わったことで感じたこと
「放課後フリースペース Cozy Rosy」を運営する鳥山さんは、学校学習指導員としてしばらくの間、小学校での勤務経験があります。
その中で感じたことは、「子どもたちや学校現場に対して、何か貢献できることはないか」ということでした。
そこで模索する中「放課後フリースペース」という形に辿り着いたとのことです。
プロジェクトのきっかけ
今回のプロジェクトを立ち上げたきっかけは、家庭や学校以外で子どもたちのサポートができる場所の提供をすることです。
鳥山さんが学校学習指導員の経験の中で、眩しいくらいに希望に満ちた子供たちの姿を目の当たりにしました。そして彼らを多忙を極めながらも、圧倒的な人間力と指導力で子どもたちに向き合う先生方の姿も目の当たりにしました。
「彼らに対して何か貢献できることが自分にはできないか・・・」
そこで考えたのが、家庭でも学校でもない第三の居場所である「放課後フリースペース」となったのです。
利用料は無料 子どもたちの憩いの場・交流の場・学習サポート
「放課後フリースペース Cozy Rosy」は小学生と中学生が利用することができます。利用料は無料です。
小学生から中学生までが集まる場であるため、幅広い年齢層が集うことになります。
将来に向けての形づくりのためのチャレンジ期間
このサービスにどれだけのニーズがあるのかを図るため、今後の運営の方向性を定めるためにも、現在はチャレンジ期間と設定しています。
活動運営費に目途が付けば、この先、このようなスタイルのスペースが全国に広がっていくかもしれません。
放課後フリースペースCozy Rosyの代表「鳥山 朋佳さん」に今回のプロジェクトについて聞いてみた
今回、放課後フリースペースCozy Rosyの代表「鳥山 朋佳さん」に、クラウドファンディングを利用してみた感想をお聞きしました。
これからクラウドファンディングの利用を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 金融機関からの融資や、補助金などは検討されましたか?もし検討したとして、なぜクラウドファンディングを選んだのですか?
- 金融機関からの融資は考えていませんでした。
自治体や財団による補助金や助成金については調べましたが、活動内容としては適合していても、法人格という形態や運営人数などに条件があり、現在応募できるものは見つけられませんでした。
補助金等を得るために、最初からそこにアジャストして法人格を得ることや、誰かに運営に加わってもらうことも一つの資金調達の方法だと思います。ただその際には、継続的な運営を可能とする具体的なビジョンが相当程度確かなこと、そしてそこに問題なく投資できるための自己資金が既にあることが必要だと思います。
しかし私の場合、「利用者負担ゼロ」の居場所を作りたいと考えていたので、資金計画が不明確であったこと、そしてそもそもこの活動がどれだけ地域社会から必要とされるのか見当がつかないので、継続的な活動の実現性も不明確でした。
活動を始めてみて、全くニーズがない可能性もあると思いましたし、その場合には必要のない活動として継続しないという選択肢も想定していました。それ故、最初から法人格取得などに投資することは現実的ではないと思いました。
それにもし活動にニーズがあっても、利用してくれる人の声にアジャストしたいと思った時に、補助金等の条件や運営協力者の意見などによって、自分が思うような活動ができなくなるリスクもあると感じました。そうなると一念発起して始めるのに本末転倒なので、現状でこれらは適していないと考えました。 - なぜクラウドファンディングを利用しようと考えたのですか?
- 上記のような経緯から、まずは自分のやりたい形で活動を始めてみること、そして、地域のニーズを探りながら活動形態をアジャストすることを目的に、年度内を「チャレンジ期間」として、たとえ自腹になっても良いという決心で自己資金を用意して活動することを決めました。
そんなことを考える中で、そもそもこういう場がもっとたくさんあっていいのではないだろうかと感じるようになってきました。まだ一般的でないだけで、子供を持つ家庭や学校を取り巻く地域社会の中にこういう場があってもいいと思う人が実は多くいるのではないか。もしそうなら、個人単位ではなく、地域社会、日本社会で子供がいつでも行ける場所を回して、増やせていけたらいいのになぁと理想が膨らんでいきました。
そこで、クラウドファンディングで、「チャレンジ期間」内の運営費を募るプロジェクトに挑戦することを決めました。
クラウドファンディングを利用させてもらったのは、自分が作る場所への間接的なニーズ、社会の考えを知りたいと思ったからです。社会の中で支えてもらっている場所として存在できるなら、子供たちやご家庭が社会に温かく見守ってもらえているということに違いないし最高なことだなぁと思っています。そして、こういう場がもっと増えていくのではと思いました。
私自身の活動につきましては、年度内で運営実績を積み重ねる中で、次年度以降の運営についても考えていく計画です。 - クラウドファンディングの手続きはご自身で行いましたか?もしくは誰かに代行してもらいましたか?
- 自身で行いました。
- クラウドファンディングを利用してみていかがでしたか?
- クラウドファンディングを利用してみて、まず第一にフォローの手厚さに驚きました。
極力経費を掛けないためにコンサルティングのないプランを選択したのですが、それでも、毎回細やかに文章を確認してくださって修正アドバイスをいただきました。怠け心が首をもたげて作業が滞ると、進捗と今後の流れを説明するフォローメールに後押しされました。
また、同時にフリースペースのHPを制作していたのですが、クラウドファンディングのプロジェクト内容との整合性を取る必要があり、自分・利用者・社会と複数の切り口から活動を考える良い機会にもなりました。
第二に、リターンの設定がとても難しかったです。そこに経費を掛けてしまうと、「活動」に対するサポートをしていただいているのに用途が違うような気もしてとても悩みました。実際、リターンについては今でも正解が分かりません。テレビ電話でツアーのような形で、子供たちがサポートしてくださる方を身近に感じられ、サポートしてくださる方もこの場を身近に感じられるようなものでも良かったのかもしれないとも思っています。
最後に、これが一番苦戦しているところでもあるのですが、クラウドファンディングでは、公開されたプロジェクトを「知ってもらう」取り組みが何よりも大事だと思いました。クラウドファンディング=お金を出してもらうということで、宣伝は非常に抵抗がありますが、活動について考えてもらうという意味でも、「知ってもらう」働きかけがとても大事だと痛感しています。自分に対する資金ではなく、活動のための資金と考えてどこかで割り切ることが重要だと思います。
私の場合、活動のコンセプト上、利用者向けに宣伝はしたくないと思う一方、このような宣伝も非常に苦手で四苦八苦しておりましたが、知人友人が協力してくれたり、こちらのサイトで紹介していただけることになったりと人に助けていただくことが多く非常に恵まれていると感謝しております。 - またクラウドファンディングを利用したいと思いますか?
- いいえ。現在は、チャレンジ期間として年度内の運営費を募っています。年度内で運営実績を積み重ね、次年度以降の運営形態についても考えていく計画です。次年度以降の資金調達について、クラウドファンディングを利用することは今のところ考えていません。継続的な活動のために、その都度利用するものではないように感じているためです。
- これからの事業目標はありますか?
- とにかく継続すること、子供たちにとって「そこにある場所」であり続けることです。
活動開始から1ヶ月が過ぎましたが、地域のニーズを感じることができて非常に嬉しく思っています。それと同時に、大事な子供たちが集う場所なのだから、社会的立場も自覚しつつ、安心と安全にとにかく責任を持たなくてはと身が引き締まる思いです。
子供たちが楽しめる場所、安心していつでも来れる場所であるために、資金調達についても模索して活動していきたいです。
現在のコロナ禍が落ち着いたら、地域の大人を身近に感じられるような企画もしてみたいと思っています。子供や子供を取り巻く人たちが、地域に見守られている安心感を持ちながら生活していくお手伝いができたら嬉しいです! - これから資金調達をしたいと考えている方に向けて一言アドバイスをお願いします。
- 様々な方法がある中で、「まず何かを始めてみる」「挑戦してみる」「社会の意見を知る」という時にクラウドファンディングはとても面白く便利な手段だと感じています。
準備期間は、活動のコンセプトやスケジュール、今後のビジョンなどを考える中で煮詰まる時もあると思いますが、自分の意気込みを再確認できる機会でもあるように思います。
私自身、ささやかな活動ではありますが、こちらのサイトで活動をご紹介していただけるなど自分の活動に対して興味を持ってくださる方に出会えると本当に嬉しくて活動への熱量をいただいています。協力してくださる方とのつながりなど、自分が得ているものの多さに支えられています!
信頼できる周囲の人に相談しながら、話を聞いてもらいながら、ぜひ自分の挑戦を楽しみに進んでいってくださいね!応援しています!!!
当サイトから
「放課後フリースペース Cozy Rosy」を運営する鳥山さんの活動は、これからの学校・家庭・地域社会のかかわり方の1つのスタイルになる可能性があると感じました。
中央教育審議会では、「子供たちの教育は、単に学校だけでなく、学校・家庭・地域社会が、それぞれ適切な役割分担を果たしつつ、相互に連携して行われることが重要である。」と謳っています。
これは確かにそのとおりであると考えるのですが、現在この3者の関りは、以前に比べるとどの地域においても希薄なものになってきてはいないでしょうか。
それを充実したものにするためにも、放課後フリースペースという活動は存在意義があると考えます。
子供の活動の場の減少
近年、子どもたちが活動する場所が減少してきているように思えます。つまり放課後に「安心して交流できる場」という意味です。
たとえばですが、最近、子どもが外で遊んでいる姿をどれだけ目にしたことがあるでしょうか?もしあったとしても、10年前、20年前と比べかなり少なくなったようには感じないでしょうか。
これにはさまざまな要因が考えられると思っています。
- 放課後、学校で遊ぶことはできない。遊ぶのならば一度帰宅してから再度学校に集合。
- 子どもが絡む事件の増加が目立つため。
- そもそも子どもが遊べる場所が減った。
- 友だちと遊ぼうと思っても、相手が習い事をしている。
さまざまな要因はあるかと思うのですが、実は子どもが子どもと安心して交流することのできる場所や機会が減ってきていると感じるのです。
そこで必要なのは今回のような放課後フリースペースではないでしょうか。
- フリースペースに行けば誰かと交流することができる。
- フリースペースに行けば勉強を教えてもらえる。
保護者からしてみても安心して無料で、さらには他の子どもと交流でき、勉強のサポートまでしてもらえるという活動は貴重であり、価値のあるものと考えるのではないでしょうか。
ただし何かしらの活動を行うためには、どうしても費用は発生してしまうものです。
そこで活動費をクラウドファンディングで募るというのは1つの方法であると思います。
この活動が広まっていき活動費を集められたとすれば、現在では月に8日~10日ほどの活動も、活動日を増やすことが可能となってくるかもしれません。また子ども達と関わりを希望している人材の確保をすることもできるかもしれません。さらに他の地域でも同じような活動を広げられるかもしれません。
「子どもの居場所」を用意することが、大人が行うことではないでしょうか。「放課後フリースペース」は、大人が子供に用意してあげられる、子どもたちにとっての有意義な場所であると考えるのです。