良いファクタリング会社とは、「普段の手数料の幅が妥当」「別費用が明記」「ノンリコースが契約書に明記」の3つが最低ラインです。
同じ会社でも案件で条件は動くため、まず「上限いくら+別費用合計+最短入金の条件」をメール回答で取るとよいでしょう。つまり記録を残すということです。
ファクタリングは銀行融資よりもスピーディーに資金調達できる手段として、中小企業経営者から注目されています。
しかしファクタリング会社の中には、評判や口コミを操作して集客している悪質な業者も存在するのが実情です。
ここでは「評判や口コミを見極める視点」に焦点を当てつつ、良いファクタリング会社を見つけるための方法を紹介します。
目次
口コミや評判は「参考程度」に見るべき理由 よい口コミは作られたものの可能性も
口コミや評判は「参考程度」にした方がよいと思います。
とくにファクタリング会社に関しては・・・です。たとえばインターネット上にはさまざまなファクタリング会社の口コミを発見することができます。
しかしそれらの中には、人為的に作られたものも少なくありません。
ネット上には「作られた口コミ」があふれている
現在、多くの企業がGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)や口コミサイトに自社の情報を掲載しています。
そして実は一部のファクタリング会社では、自作自演の高評価レビューを投稿している、もしくは専用の業者に投稿してもらっているケースがあります。
自作自演の口コミの特徴
たとえば自作自演の作られた口コミは以下のような特徴があります。
- 明らかに同じ文体・構成の5つ星レビュー
- 不自然なまでに絶賛する内容
- 具体的な体験談がない抽象的な評価
このような口コミは「作られた口コミ」である可能性が高く信頼性に欠けます。
しかしこのような情報でも鵜呑みにしてしまう人も一定数いるのも事実です。
Googleビジネスプロフィールも鵜呑みにしてはいけない
Googleビジネスプロフィールは、Googleのサービスだからこそ一見信頼できそうに見えるかもしれません。
しかしそうではないこともあるのです。
Googleビジネスプロフィールを運用代行する会社もあれば、口コミを入れる業者、口コミを削除する業者など、さまざまな関連業者が存在します。
さらには意図的に好意的な口コミを集めたり、ネガティブな評価を削除申請することも可能です。
少しでもユーザーによい印象を持ってもらい、結果的には集客につなげたいための施策の一部となっています。
外部からはわかりそうでわからない
たとえばファクタリング会社の口コミが自作自演なのか、それとも実際に利用したユーザーによる口コミなのかは、100%見極めるのは難しいでしょう。
本物の口コミを見極める3つの視点
信頼できる口コミを見極めるために、次の3つのポイントに注目してください。
1. 良い点だけでなく悪い点にも触れているか
本当にファクタリングを利用した人の口コミは、良い点と同時に不満点や要望も含まれていることがあります。
たとえば
「手数料は10%とやや高かったですが、審査が早く、当日に入金されたので満足です。」
このような具体的かつバランスの取れた口コミは信ぴょう性があるかもしれません。
2. 取引内容が具体的に書かれているか
信頼できる口コミには、次のような具体的な内容が含まれていることが多いです。
- 売掛先の業種や金額の目安
- 対応までのスピードややり取りの様子
- 実際の手数料率や契約条件
ファクタリングの性質上、どの会社がどのくらいの金額を・・・などと具体的に言及することはないにしても、ある程度は書いていてもおかしくはありません。
「とても良かった」「親切だった」などの抽象的な表現しかない口コミは、内容が薄く、信ぴょう性が低いと判断できてもおかしくありません。
3. 投稿者のプロフィールや投稿履歴もチェックする
とくにGoogleレビューでは、投稿者のアカウントをクリックすることで、他にどのようなレビューを書いているかを確認できます。
- 他の投稿があるか
- 他にも同じ業種の会社ばかりに投稿していないか
- 投稿がすべて★5ばかりで不自然でないか
- 国外の投稿が多くないか
このように、アカウント全体を確認することで、業者による「やらせレビュー」を見抜けることもあります。
良いファクタリング会社を見つける方法
良いファクタリング会社と見極めるためには二段構えです。
まず「会社ごとの料金方針」で不適切な業者を除外します。次に同じ会社でも案件要因(2社間/3社間、売掛先の信用、金額規模、必要書類の揃い具合)で手数料や可否が変動する点を比較します。
まず前提としてですが、ファクタリング会社は債権によって条件を変えることは普通にあることです。そのため同じファクタリング会社でも「以前は20%の手数料だったが、今回は30%・・・」ということもありますし、その逆もあります。それはファクタリング会社にとってどれだけのリスクがあるのかによって左右されます。
会社ごとの料金方針の見分け方
多くの会社は手数料の上限や、手数料以外に発生する別費用を公開していません。
そこで、電話ではなくメールでの「文章回答」を必ずもらうとよいでしょう。
後で見比べられるよう、次の4点を同一条件で依頼します
- ①手数料の上限・下限
- 別費用の内訳と税込合計
- 最短入金の条件(必要書類)
- 契約の種類(ノンリコースか)
たとえば以下のような内容を、複数のファクタリング会社に送付してもよいかもしれません。同じ内容で送ることで後々比較しやすくなります。
会社名:____
請求額:____円
売掛先(取引先):____(支払い実績の有無)
希望入金日:____
用意できる書類:請求書/契約書/入金実績 など上記の条件で「手数料の上限・下限」「別費用の内訳と税込合計」「最短入金の条件」「契約の種類(ノンリコースか)」をメールでご回答ください。
「上限は答えられない」、「最安◯%だけを繰り返す」、「別費用の明細を出さない」、「契約書(約款)を事前に見せない」、「前金を求める」など、これらのうちどれか一つでも当てはまるなら用心したほうがよいかもしれません。
そもそもですが、このあたりの情報を掲載しているファクタリング会社はなかなかありません。それは先ほど話したように債権の状況によって手数料率が変わることがあるためです。
また契約直前で条件を変更されるということもあります。
よって、なるべく自分を守るためにも「記録」として残しておくことは有効です。たとえば「メール」です。
次にどのような要因で手数料が変化するかは、下記で説明したいと思います。
基準の早見表
- 2社間の手数料:10%台前半が目安
- 3社間の手数料:1〜5%が目安
- 買取率:2社間 65〜80%/3社間 80〜90%
- 契約:ノンリコース(契約書に明記)
- 入金の早さ:最短即日(条件の明記が必須)
手数料に影響を与える主な要因
- 契約方式(2社間か3社間のどちらか)
- 取引先の信用(支払い実績など)
- 請求金額の大きさ(少額 / 高額)
- 書類がそろっているか(請求書・契約書・入金実績など)
- 業種や債権の性質(継続して取引があるか、回収の見込み)
はじめに確認するべき数値
以下のどれかに当てはまれば「見送り候補」としてもよいかもしれません。
- 2社間でいつも手数料が30%より高い
- 手数料以外の合計金額を出してくれない
- 契約書を事前に見せてくれない
- 「審査なし」と言う。
その上で以下もチェックしてください。
- 2社間の手数料:10%台前半が目安(条件で上下)
- 3社間の手数料:1〜5%が目安
- 買取率(掛け目):2社間 65〜80%/3社間 80〜90%
- 契約形態:ノンリコース(償還請求権なし)
- 入金の早さ:最短即日(2〜24時間の目安)
なぜこの基準が有効か
手数料が高いほど手元に残るお金は減ります。
買取率(掛け目)が低いと、同じ請求額でも受け取れる額が下がります。契約の種類は重要でノンリコースなら取引先が払わなくてもあなたは返す必要がありません。
入金の早さは資金繰りに直結します。書類が不足すると審査に時間がかかり、入金が遅れたり条件が悪くなることがあります。
だからまずは「手数料・買取率・契約・入金の早さ・必要書類」を先に確認し、同じ条件で会社どうしを比べるのがいちばん公平でムダがありません。
具体的な進め方(3ステップ)
- 一次情報の確認:公式の「契約書(約款)」「料金表」「FAQ」を読み、上の数値が明記されているか確認する
- 同条件で見積:同じ前提条件で2〜3社に見積依頼し、手数料レンジや上限下限、必要書類をそろえる
- 対応品質の比較:説明の一貫性、質問への即答性、リスク説明の有無をメモして横並びで評価する
契約前に条件を整理
最終的な条件は、すべての必要書類を提出しファクタリング会社の審査が終わらないとわかりません。
それはどこのファクタリング会社も同じでしょう。
もし複数社比較をするのであれば、この作業を複数回繰り返す必要があります。
また同時に複数社の審査を受けることも可能です。そうすることで資金調達までの時間を短縮することができるでしょう。ただしここで気を付けてもらいたいことは、同一の債権を複数社に譲渡はできないということです。
これをしてしまうと詐欺に該当してしまう可能性が出てきます。
よくある落とし穴と対処 インターネット上の情報は参考程度に
インターネット上にはファクタリング会社の公式サイトはもちろん、各ファクタリング会社を紹介する情報が多くあります。
しかしこれらの情報はあくまでも参考程度にした方がよいです。
- 最安◯%:あくまでも最安の話です。基本的に該当しないと思った方がよいです。
- 別費用の有無:出張をしてもらったりする場合は費用がかかることもあります。
- 評価:いろいろなサイトに評価(5段階など)が掲載されていますが、サイト制作者が掲載しているファクタリング会社すべてを利用したとは思えません。
- 審査なし:審査のないファクタリング会社は基本的にはありません。
そもそもですが、ファクタリング会社は商売で事業を行っています。売り上げを上げるのが目的です。ボランティアではありません。
そのため、いくら困っているという申し込みがあったとしても、自分にとって利益にならないと思ったら相手にはしません。
専門家に相談する場合
顧問税理士など第三者の意見は、提示条件の妥当性や契約条項の解釈に役立ちます。完全に任せるのではなく、上の数値基準で一次スクリーニングを終えてから相談すると、選定の精度が上がります。
注意!悪質なファクタリング会社の特徴
良い会社を選ぶためには、悪質な会社の特徴も知っておくことが重要です。
契約前に「上限・別費用・入金の条件・契約書(約款)」を文書で確認できない会社は利用をしないということを検討したいです。
以下のような特徴には注意
- 契約を急かしてくる
- 手数料を契約直前まで明かさない
- 担当者の名刺や連絡先を渡さない
- 公式サイトに会社情報が不明確
- 売掛先に勝手に連絡される(2社間契約なのに)
契約前には、手数料の上限や入金のタイミング、通知の有無などを文書で確認しておくことが大切です。
まとめ 口コミは「参考」程度に 最終判断は自分の目で
ファクタリング会社の口コミや評判は、選ぶ上での貴重な情報源です。
しかしそれらには「操作された口コミ」や「一方的な評価」も含まれています。もしかしたらその方が多いかもしれません。
さまざまなショッピングサイトに口コミがあり、それを信用して商品購入をしたことがある人もいるかもしれません。中には口コミに騙されてしまったという人もいることでしょう。
そのようなショッピングサイトの口コミよりも断然、人工的な口コミがファクタリング会社関連ではあると思います。
良いファクタリング会社を見つけるには、
- 複数の情報源を照らし合わせる
- 口コミは具体性・バランス・投稿者情報を確認する
- 実際に問い合わせて対応を見極める
- 第三者(税理士など)に相談する
このように、さまざまな視点から冷静に判断することが重要でしょう。
早く資金調達したいと焦る気持ちは理解できますが、「急がば回れ」という言葉どおり、信頼できる業者との取引こそが、あなたの事業を守る最善の手段です。
参照 ファクタリングとは?仕組み・種類・注意点について解説(外部サイト)
よくある質問
ノンリコースとは?
取引先が支払えなくても、あなたが返す必要がない契約です。契約書に明記されているかを必ず確認します。
「最短即日」の条件は?
審査通過と必要書類の提出が前提です。何の書類が必要か、メールで文章回答をもらいましょう。
手数料以外にどんな費用がかかる?
事務手数料・調査費・違約金・紹介料など。内訳と税込合計を必ずメールで出してもらいます。
審査なしの会社はありますか?
基本的にありません。審査なし表現は要注意です。
2社間の一般的な手数料は?
10%台前半が目安です。30%を超えてくるようであれば見送りを検討したいです。
ノンリコースの確認方法は?
契約書に明記があるかを事前開示で確認。

































