債権回収代行業者になるための10の認定基準 違法な取り立て行為は認定無しの可能性

売掛金回収代行業者になるための10の認定基準 違法な取り立て行為は認定無しの可能性
 
 
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自社で債権回収ができない場合、もしくは難しい場合には、回収代行業者に依頼することができます。

業者によって行われる取り立て行為は法律に乗っ取って行われます。しかし中には違法な取り立てを行う業者もいます。

本来、売掛金回収代行業者とは、法務省から認可を受けた専門の業者しか名乗ることを許されていません。

もし法務省の認可基準を満たしていない業者から買掛金の請求を受けている場合は、その業者に対して支払う必要はありません。しかし買掛金を支払うべき取引先が、認定されていない業者と知らずに回収代行を依頼しているケースもあります。その場合はすぐに警察や弁護士、関係各省に連絡してください。

 

B社長
取引先へ買掛金の支払いをしていない場合、つまり支払うものを支払っていないと、債権回収業者からコンタクトがある場合がある。取引先が依頼(債権譲渡)したというわけだ。
しかし回収業者の中には、法務省からの許可を得ていないケースがある。


 

売掛金回収代行業者は事業者の代わりに売掛金の回収をしてくれる

売掛金回収代行業者とは?

売掛金回収代行業者とは、法務省から認可を受けた上で売掛債権回収代行を行なっている株式会社のことです。

弁護士法という法律の特例として制定された「サービサー法」という特別措置法が施行されたことで誕生した業種です。

法律事務所(弁護士)や司法書士が債権回収

少し前までは、債権回収を代行するのは弁護士(法律事務所)でした。または債権金額が140万円以下であれば認定司法書士といった限られた士業しかできない業務でした。

ところがバブル崩壊やリーマンショックの影響で、大量に発生した不良債権の処理を促進させるために「サービサー法」が施行されました。

これにより民間業者でも回収業務ができるようになりました。

債権回収代行の種類

債権といっても、売掛金回収代業者が行なえる債権回収代行には種類があります。

売掛金回収代行業者が回収できる債権の種類
  • 金融機関等が有する貸付債権
  • リース・クレジット債権
  • 資産の流動化に関する金銭債権
  • ファクタリング業者が有する金銭債権
  • 法的倒産手続中の者が有する金銭債権
  • 保証契約に基づく債権
  • その他政令で定める債権

企業同士の取引では代金の支払いをその場で行なわず、後日支払う「掛取引」が一般的です。掛取引において約束手形で支払いの約束をする場合「手形取引」となり、約束手形が使われない取引であれば「売掛金」として区別されます。

売掛金とは代金を後日受け取る「権利」のことです。どれだけ権利を主張しても、取引先が代金の支払い義務を守らなければ、代金の回収はできません。代金を確実に回収するために売掛金回収代行業者が存在するのです。

一般的な債権回収の方法

取引先から売掛金が支払われない場合には、さまざまな回収方法を試すことができます。

  • いつまでも待つ(5年で時効)
  • 回収作業を行う(催促・内容証明・督促・催告・仮差押え)
  • 債権回収代行業者に依頼する
  • 裁判を行う
  • 債権を売却する

話し合いによる解決がスムーズ 時間や手間がかかる場合も

一番よいのは話し合いによる解決です。

しかし話し合いに応じてくれないケースもあります。そのようなときには法的制度を利用することもできますが、時間や手間がかかってきます。

そこで債権譲渡という方法を選択するケースがあります。

回収業者に債権を委託・譲渡

債権回収業者に債権回収を代行してもらうことができます。その際には回収業務を委託するのか、それとも債権を譲渡するのかの選択になります。

どちらもコストがかかりますが、譲渡してしまったほうがある意味気が楽かもしれません。

債権譲渡 売掛金を受け取る権利を渡すこと

債権譲渡とは、取引先から売掛金を受け取る権利を渡すということです。

A社がB社に商品を納品したとします。A社はB社に請求書を出すことになります。それに対しB社は支払いをすることになります。

これはA社がB社から商品代金を受け取る権利を持っているということです。

この権利自体を他社に渡すことが可能です。それが債権回収会社であったり、ファクタリング会社となります。

権利を渡すときには売却することになるため、売却益を得ることができます。

回収代行の認可を受けるための10の基準 無認可業者を見抜く方法

認可受けるための基準とは?無認可業者を見抜く方法

売掛金回収代行業者として営業するためには、法務省からの認可が必要です。法人の起業や個人事業主の営業届とは違い、代行業者として営業するために厳しい基準が設けられています。

 

B社長
基準は全部で10の項目があり、すべてをクリアしていなければ認定を受けられない。審査基準は法務省サービサー法の申請・届出の手引に記載されているぞ。

 

参照 債権管理回収業のための申請・届出の手引(平成31年4月)

 

とくに重要なのが、次の3つです。

審査の重要ポイント
  • 第4号:常務に従事する取締役のうちに、その職務を公正かつ的確に遂行できる知識と経験を有する弁護士がいる
  • 第5号:暴力団員または暴力団でなくなった日から5年を経過しない者がその事業活動を支配していない
  • 第8号:債権管理回収業を適正に遂行するに足りる人的構成を有ている

参考元 債権回収会社の審査・監督に関する事務ガイドライン

 

それぞれで重要なポイントについて簡単に解説します。

第4号の「常務に従事する弁護士」とは、弁護士が売掛金回収代行業務全般を把握しており、なおかつ外部委託されていない弁護士が在籍しているということです。

第5号の「事業活動を支配していない」とは、請求をしてきた売掛金回収代行業者の社長やオーナー、株主や融資をしている会社に暴力団関係者がいないかということです。

第8号の「債権回収業を適正に遂行するに足りる人的構成」とは、請求を受けた回収代行業者の社員が、業務を適切に行なえているか、知識があるかという点になります。もし、回収業務を行なう社員や補助員が間違った債権回収業務を行なっている場合は、認可取り消し、もしくは認可を最初から受けていない業者の可能性があります。

法務大臣の許可を得た会社

債権回収代行業者は、法務大臣の許可を得た民間の会社となります。

認可を受けているかどうかは、法務省のホームページに掲載されている「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」で確認することができます。

参照 債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧

 

掲載されている情報は次の5つです。

許可一覧に掲載されている情報
  • 営業許可年月
  • 商号
  • 代表者名
  • 本店所在地
  • 電話番号

請求された回収代行業者の社名(商号)や電話番号を確認して、もし一致していない場合は、認可済業者の名前を騙った詐欺業者の可能性が非常に高いです。

無認可業者はサービサー法違反で処罰される

無認可で債権回収業を行なっていると判明した場合、サービサー法違反として3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその両方の刑罰が課されます。要は犯罪として裁かれるのです。

無認可であることに加え、回収業務で恫喝や暴力などを行なった場合、さらに傷害罪なども加算されます。認可されている回収業者は合法的な回収業務しか行ないません。回収方法についておかしいな?と感じたら、すぐに消費者センターや弁護士、警察に相談しましょう。

買掛金さえ支払えていれば無認可業者問題は起きない

買掛金さえ支払えていれば無認可業者問題は起きない<

無認可の売掛金回収代行業者が増加する原因は、支払うべき代金(買掛金)を支払えない会社が多いためです。つまり商売として成り立ってしまうわけです。

会社の業績が下がってくれば資金繰りが悪化してきます。どうしようもない状態に追い打ちをかけるように無認可業者から請求をされてしまうと、冷静でいられなくなり、払う必要のないお金を支払ってしまう可能性もあります。

買掛金が支払えない状況を打破するために、自社の資金繰り悪化を改善しなければならないのです。

買掛金が支払えない状況を打開する方法

買掛金が支払えない状況を解決するためには、大きく分けて2つの方法があります。

取引先に支払い期限を伸ばしてもらう

時間さえもらえれば代金を支払えるという場合は、取引先に支払い期限を伸ばしてもらうように交渉してみましょう。ただ単にお願いするのでは聞き入れてもらえない場合もあるため、ここで重要なのは「支払う意思がある」と取引先に伝えることです。

買掛金(取引先にとっては売掛金)は業種によって6ヶ月~5年の時効があります。期間内に支払いを行なわなければ、代金を支払う義務である買掛金が消失してしまうのです。しかしほとんどの場合は取引先から訴訟などを起こされてしまい、時効が中断されます。

訴訟となると、取引先との関係悪化はもちろん、契約そのものを解消されてしまうことにもつながるため、絶対にさけたい状況です。そこで考えるべきは「公正証書」を使った交渉です。

公正証書とは、法律的な拘束力がある文書になります。公正証書で支払いを約束することで取引先に「支払いの意思がある」とアピールできます。注意すべきは公正証書を作る場合、書かれている内容を守れなければ、強制的に差し押さえや強制執行(強制取り立て)などが行なわれるという点です。

 

時間が解決してくれるのであれば問題ない
期日までに支払いをできないのはこちらの責任だ。誠心誠意、丁寧な説明が必要とされるだろう。
相手に時間さえあれば代金を100%支払ってもらえると思わせる必要がある。

 

もし資金調達が失敗して、支払えなくなった場合は「倒産」という最悪の事態も想定しなければならないのです。これらの点を踏まえた上で、公正証書を使った取引先との交渉を検討してください。

資金繰りを改善するために運転資金を調達する

買掛金が支払えない最大の理由は資金繰りの悪化です。資金繰りを改善するために、事業に使うお金、つまり運転資金を調達しなければなりません。資金調達の方法は「金融機関などから借りる」もしくは「資産などを売却する」といった方法が一般的です。

新規株式の発行やクラウドファンディングという方法もあります。しかし資金調達までに、時間と手間がかかってしまうため、緊急を要する支払いへの資金調達方法としては不向きです。

そこでオススメしたいのが、スピーディに資金調達ができる「ビジネスローン」と「ファクタリング」です。

 

資金が必要となるまでの時間がどのくらいかによって変わってくる。
期日までに支払いを間に合わせたい、しかし資金がない。というのであれば、どこかでお金を工面するしかない。
時間があれば銀行や公的融資、時間がなければビジネスローンやファクタリングという選択肢が一般的だろう。

 

買掛金支払いにおススメな資金調達方法

買掛金の支払期日まで1ヶ月以上時間があるのなら、銀行、公的機関からの融資を検討してみるとよいでしょう。しかし支払期日まで1ヶ月を切ってしまっている場合には、ビジネスローンやファクタリングをオススメします。

この2つの方法は、申込みから資金を入手するまでの時間が短く、他の資金調達方法に比べて審査通過しやすいことが特徴です。最短で即日資金調達が可能となります。

期日前までに早めに資金を用意しなければ、支払いを待てない取引先が債権回収代行業者に債権回収を依頼する可能性が出てきます。だからこそ早めに動く必要があり、早めに資金調達できる方法も頭に入れておく必要があるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンとは、金融機関の事業性融資とは違い、コンピューターによる簡易的な審査で融資を受けられる融資サービスのことです。金融機関の事業性融資の場合、融資担当者からの融資調査などを経てから融資が決定されるため、申込から入金まで長い時間がかかってしまいます。

ビジネスローンの場合は重要事項を担当者がコンピューター入力を行ない、その結果で融資が決まるため、銀行の事業性融資よりもスピーディに資金調達が可能です。最短で申し込んだ当日に資金を調達できる会社もあります。

ビジネスローンはスピーディーに資金調達ができる反面、デメリットもあります。たとえば毎月の返済が発生する点や返済時の利率が事業性融資よりも割高になる点です。

メリットとデメリット、状況を踏まえて利用を検討してください。すぐにお金が手に入るからと安易に無計画で利用してしまうと、後から返済などで苦労する可能性もあるのです。

参照 ビジネスローン

 

ファクタリング

ファクタリングとは手持ちの売掛金を専門業者に売却して資金を調達する方法です。売掛金が手元に無ければ利用できません。日本では知名度の低いサービスですが、欧米諸国では手形取引以上に利用されているメジャーな金融サービスです。

中小企業庁も利用を勧めています。

参照 中小企業庁ホームページ「売掛債権の利用促進について」

 

ファクタリングは、ただ知名度が低いだけであって、合法的な金融サービスなのです。申込んだ当日中に資金を調達できる専門業者もあり、資金調達のスピードは、数ある金融サービスの中でもトップクラスを誇ります。

審査が比較的通りやすいこともメリットになります。ファクタリング審査で重要視されるのは、架空の売掛金ではないかという点と、売掛金の代金が支払期日に確実に入金されるかという点です。申込企業の財務状況が赤字だったとしても、確実に売掛金が支払われるのであれば利用可能なのです。

デメリットも存在します。ファクタリングは「売掛金を売却」する金融サービスであるため、毎月の返済が発生しません。しかしファクタリングを利用する場合は、売掛金金額に対して5%~30%の手数料が発生します。つまり売掛金金額の全額は資金化できないのです。

せっかくファクタリングで資金を調達したとしても、支払うべき金額に到達していなければ利用価値は無くなります。支払うべき金額と手数料で差し引かれる分を考慮して利用を検討しましょう。

参照 ファクタリング

 

 

資金調達までどのくらいの時間が残っているのかが重要。
いつまでに資金が必要なのかがポイントだ。時間があれば金利が安いものを選べる。時間がなければ金利や手数料が高いものを選ぶしかない。
つまり資金調達は、なるべく早く動いた方が何かと都合がよいのだ。

 

許可なしの債権回収代行業者には応じない 買掛金の問題は資金調達で解決

悪質な債権回収代行業者はすぐに通報!
売掛金回収代行業者は法務省から認可を受けた業者しか、回収業務ができません。もし認可を受けずに回収業務が行なわれた場合には厳しい罰則が待ち受けています。あなたが買掛金を持っていて、債権回収代行業者から請求された場合は、まずその業者が怪しくないかの確認を行ないましょう。

悪質な業者であると判明したら、すぐにでも警察などの関係各省庁に連絡してください。支払うべき買掛金があり、認可業者から請求があった場合には、ビジネスローンやファクタリングを使うことで、問題が解決する可能性もあるでしょう。

買掛金問題を解決するために、自社に合った対応策をとってください。

 

買掛金は必ず支払わなければならないものだ。早めに行動しなければどんどん不利になっていく。
買掛金が支払えない場合には、何とかして現金を用意する必要がある。資金調達にもいろいろあるわけだが、状況によって使い分けると良いだろう。
「事業者のための10の資金調達方法」を参考にしてみてくれ。
ただし事業資金に余裕があるうちに早めに行動することをおススメする。


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株式会社デキタ 渡邉
株式会社デキタの代表取締役。資金調達に関する知識を身に付けるために「ファクタリングで資金調達デキタ!」を制作・運営。その延長線上で、事業者の利用する資金調達方法に焦点を当てた当サイトを企画・制作・運営。 資金調達に関する記事執筆は2018年より開始。複数の税理士やファイナンシャルプランナーと交流しながら、記事執筆をつづける。