チェーンソー作業者資格の正式名称「立木の伐木作業者」の資格は活用次第で稼げる資格です。
チェーンソー作業者資格は自身でDIYをする場合には本来取得する必要がありません。ただしチェーンソーを「仕事」で使用する場合には資格が必要になります。
なぜならチェーンソーは危険な作業機器であり、使い方を誤ると重大な事故につながるからです。資格取得は「安全に作業を行なえるようにするため」という目的があります
チェーンソー作業者資格が必要とされる業種は以下の通りです。
- 農林水産業
- 造園工事業
- 建設・土木工事業
- リース・レンタル業
- 電気通信工事業
- 解体工事業
事業所によっては、資格取得費用を補助してくれるところもあります。
チェーンソー作業者の資格を取得するための費用や講習時間は以下の通りです。
費用 | 講習時間 |
16,000円~ | 16時間(学科8時間、実技8時間以上) |
「~」と表記しているのは、講習費用が地域や講習を行なっている事業所によって異なるからです。
チェーンソー作業者資格は活用方法次第で稼げます。ただし、稼ぎにつなげるためには他の資格との組み合わせなどの工夫が必要です。具体的な組み合わせと稼ぎ方の一例は以下の通りです。
- 林業で起業…必要な資格(持っていた方がよい資格・林業関連資格)
- 造園コンサルタント…必要な資格(持っていた方がよい資格・一級/二級建築士)
- 解体業で起業…必要な資格(持っていた方がよい資格・重機運転・作業関連資格)
技術資格であるチェーンソー作業者は、それだけでビジネスにするのは難しいでしょう。ただし技術資格の強みである「知識」と「経験」は大いにビジネスとして成立させられます。
この記事ではチェーンソー作業者資格について以下のことについてお話ししていきたいと思います。
- チェーンソー作業者の資格取得方法
- チェーンソー作業者資格を取得して稼ぐ方法
- チェーンソー作業者資格を活用して起業した際に注意すべき事業資金・運転資金問題
目次
チェーンソー作業者の資格取得方法
チェーンソー作業者の資格取得方法は「講習の受講」です。資格試験等はありません。講習を受講するだけで取得できます。
ただし、チェーンソー作業は危険が伴う作業になるため、実技講習も受けなくてはなりません。講習を受ければ取得できるとはいえ、実技で事故にならないためにもしっかりと講習を受ける必要があるでしょう。
チェーンソー作業者資格取得に必要な費用
チェーンソー作業者資格の取得に必要な費用は「16,000円~」となっています。
「~」というのは、地域や講習を受ける場所や事業所によって講習費用が異なるからです。比較的地方が安価で都市部は高額(30,000円前後)に設定されている傾向があります。
チェーンソー作業者資格を受けられる場所
講習を受けられる場所や事業所は以下の通りです。
講習を受ける事業所のホームページから講習受講受付ができます。
チェーンソー作業者資格を取得して稼ぐ方法
チェーンソー作業者資格を取得して稼ぐ方法の一例は以下の通りです。
- 起業・独立向け・・・関連業種での起業
- 起業・独立向け・・・関連業種コンサルタントで起業
それぞれを詳しくお話ししていきたいと思います。
起業・独立向け…関連業種での起業
チェーンソー作業者資格の関連業種で起業は、資格取得で稼ぐ方法の1つです。とくに林業や造園業などのチェーンソーを頻繁に使用する業種では資格が優位に働くでしょう。
起業とは別ですが、資格取得をしていることによって関連企業での副業も可能です。
起業・独立向け…関連業種コンサルタントで起業
チェーンソー作業者の資格講習では、安全対策やチェーンソーの正しい使い方といった知識面の内容も学習します。学習した内容を活用するならば、チェーンソーを使用する業種のコンサルタントとして起業するのも1つの手段です。
実際の現場に同行して、作業管理方法が間違っていないか?や正しいチェーンソーの使い方をしているか?といった部分を定期的にチェックすることで報酬が得られます。
チェーンソー作業者資格を活用して起業した際に注意すべき事業資金・運転資金問題
チェーンソー作業者資格を活用して起業・独立した場合、注意すべきは事業を運営するための資金です。林業や解体業の場合はもとより、コンサルタント業やチェーンソーアーティストとして起業した場合も資金問題は必ず発生するものです。
とくに注意すべきは起業前と起業直後でしょう。林業や解体業、造園業で起業する場合は、作業を行なうためのスタッフや重機の購入が必要になります。また、スタッフへの給与や作業用重機を使用するためのコストもかかります。
起業資金だけではなく、運転資金、つまり起業後に発生するコストにも注意しなくてはならないのです。
チェーンソー資格を活用して起業した場合の運転資金問題を解決できる資金調達方法は次の2つです。
- 日本政策金融公庫の創業融資
- ファクタリング
それぞれどのような資金調達方法なのか詳しくお話ししていきたいと思います。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫とは日本政府の金融会社です。一般消費者、事業者向けの融資が主な業務です。行政融資といえばほとんどの場合、日本政策金融公庫を指します。
日本政策金融公庫には、起業前~起業直後の事業者に向けた「新創業融資制度」という融資商品があります。限度額は3,000万円で半額分の1,500万円は運転資金として活用できる融資商品です。
利率は担保や保証人の有無によって変動するものの、最高で3.25%と一般の金融機関が展開している事業融資に比べて低い利率であることが特長です。
林業や造園業、解体業のような個別の業種で起業する場合は、それぞれの業種に合った融資制度も活用できます。起業前~起業直後の資金繰りに困るようであれば、まず日本政策金融公庫の行政融資を検討してみるとよいでしょう。
ファクタリング
ファクタリングとは売掛金を専門業者であるファクタリング会社に売却して、入金期日よりも前に資金調達をする方法です。売掛金さえあれば、ほとんどの事業者は利用可能です。ファクタリング業者によっては個人事業主の利用をNGにしているところもあるため、事前に確認してから利用を検討するとよいでしょう。
林業や造園業といった業種は、作業をした即日に現金で対価を受け取ることが少ない業種です。そのため、作業代金が入金されるまでの間は自社資金で事業を運営しなくてはなりません。下請けに仕事を依頼している場合は、最低でも60日以内に代金を支払う必要があります。
作業費用の入金日が作業完了日から60日を超えている場合、下請けへの代金は自社資金から支払わなければなりません。資金が潤沢であるならばまだしも、資金ギリギリで運営している事業所の場合は黒字倒産のリスクもあります。
ファクタリングは売掛金さえあれば資金調達できるため、黒字倒産リスクを抑えることができます。ただし、ファクタリングは売掛金総額を満額で資金化できません。手数料が発生するからです。
黒字倒産を防ぐ目的で利用するのであれば、問題ありませんが、融資と同じ感覚で利用するのはオススメできません。ファクタリングのメリットやデメリットを理解した上で利用を検討するとよいでしょう。
チェーンソー作業者資格で稼ぐために資金問題の解決は必要不可欠
チェーンソー作業者資格は16時間以上の講習と安価な費用で取得できる資格です。稼ぐ目的で取得する場合は、他の資格の取得も視野に入れておくとよいでしょう。
資格を活用して起業する場合には、資金問題にも注意しておきましょう。チェーンソーが関わる業種で起業する場合は、起業前と起業後の資金繰りがとくに重要になります。資格を活用して稼ぐ場合は、取得後の稼ぎ方や稼ぐために必要なコストも念頭に入れておくとよいでしょう。