ファクタリングと銀行融資の違い 資金調達における判断基準

 
 
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ファクタリングと銀行融資はどちらも資金調達手段です。しかしこの2つのは「目的」・「審査基準」・「スピード」・「担保要件」が大きく異なります。

緊急で現金が必要な場合であったり、信用情報に不安がある場合はファクタリング、低金利・長期運転資金が必要な場合は銀行融資が適しているとされています。

ここでは両者の仕組みやメリット・デメリット、利用に向いているケースを整理し判断基準を提示していきたいと思います。

あらかじめ大事なポイントをお伝えしておきます。万能な資金調達方法はありません。また自業種や事業状況によっても変わってきます。

ファクタリングとは?売掛金を早期に資金化する仕組み

ファクタリングは、売掛債権(未回収の請求書、取引先から受け取っていない未回収のお金)をファクタリング会社に売却し資金を先に得る調達手段です。

審査の対象は“自社ではなく売掛先”であり、信用力に不安がある企業にも利用しやすいのが特徴です。

ファクタリングの基本構造

ファクタリングの基本構造は以下のようになります。

  1. 売掛債権をファクタリング会社へ譲渡
  2. ファクタリング会社が債権額から手数料を差し引いて入金
  3. 売掛先が支払期日にファクタリング会社へ直接送金

ファクタリングの種類

ファクタリングは主に以下の2つとなります。

  • 2社間ファクタリング:売掛先に通知せず、自社とファクタリング会社だけで契約
  • 3社間ファクタリング:売掛先にも通知し、正式に債権譲渡を承認

世の中でよく利用されているのは、2社間ファクタリングの方でしょう。

これは売掛先にファクタリングを利用したことを知られない、つまり資金ショートしていることを知られないため、今まで通りの取引ができるといった大きなメリットがあるためです。

手数料相場と取引スピード

ファクタリングの利用の際には手数料が必要となります。そして契約形態により手数料が変わってきます。

  • 手数料:2社間で10~30%、3社間で1~10%が目安
  • 入金スピード:最短即日~3営業日

手数料の高さはファクタリング会社のリスクに比例しています。

ファクタリング会社は事業者と契約をする際に、償還請求権のない契約をすることが多いです。

参照 償還請求権とは

 

つまりファクタリング会社はお金が戻ってこなかったとしても、事業者に対し責任を追及しないということです。

これはお金を出す側であるファクタリング会社にとっては非常にリスクの高いことです。現に売掛債権を買い取って、その後、お金が戻ってこなく莫大な損失を出しているファクタリング会社は多いです。

そのため自然と手数料が高くなってしまうのです。

銀行融資とは?信用力に基づく資金調達

銀行融資は、企業の信用情報・決算内容・担保の有無をもとに資金を借りるよくある資金調達手段です。

金利は低い反面、審査が厳しく時間がかかる点が特徴です。

銀行融資の種類

銀行融資の種類としては以下の3つがよく利用されることでしょう。

  • 運転資金融資(短期〜中期)
  • 設備資金融資(中期〜長期)
  • 日本政策金融公庫・信用保証協会付き融資

審査ポイント

  • 売上・利益の安定性
  • 債務超過の有無
  • 税金の納付状況
  • 担保・保証人の有無

金利と期間の目安

  • 金利:0.5~2.5%程度(保証料含む)
  • 審査期間:1週間~1ヶ月

ファクタリングと銀行融資の違い一覧

ファクタリングと銀行融資の違いを簡単に表にまとめてみました。

項目ファクタリング銀行融資
審査対象売掛先の信用自社の信用
手続きスピード即日~3営業日1週間~1ヶ月
金利・手数料1~30%(手数料)0.5~2.5%(金利)
担保・保証人原則不要必要な場合あり
信用情報への影響なしあり
目的売掛債権の早期資金化中長期の資金調達

ファクタリングの手数料を1%~30%と表現していますが、1%という数字を謳っている業者もありますが実際は現実的ではありません。余程ファクタリング会社にとって好条件がそろわない限りはこの数字にはならないでしょう。

それぞれに向いている企業・シチュエーション

両者の性質を踏まえたうえで、「どのような企業が、どの状況で使うべきか」を明確にします。

ファクタリングが向いているケース

  • 売掛金の入金まで資金がもたない
  • 税金未納・債務超過で融資が難しい
  • 事業が成長中で運転資金がすぐに必要
  • 銀行の審査通過に自信がない

銀行融資が向いているケース

  • 毎月の返済計画を立てられる
  • 中長期的な資金が必要(設備投資など)
  • 信用情報・決算が安定している
  • 金利コストを最小化したい

どちらを選ぶべきか?判断の基準5つ

「とにかく早く現金が必要」ならファクタリング、「コスト重視・計画重視」なら銀行融資です。

以下の5つをもとに判断しましょう。

①緊急度

明日・明後日に現金が必要:ファクタリング

数週間以内でよい:銀行融資

②信用力・税金状況

税金滞納や赤字:ファクタリング

決算が黒字で安定:銀行融資

③支払いサイトと売掛比率

売掛比率が高く、サイトが長い:ファクタリング

即金売上・現金商売:銀行融資

④コスト許容度

利益よりキャッシュ優先:ファクタリング

長期的なコスト抑制重視:銀行融資

⑤長期的な資金戦略の有無

今月の支払いが間に合わない:ファクタリング

数年単位の計画がある:銀行融資

まとめ|資金調達は“目的”で選べ

ファクタリングも銀行融資も優れた資金調達手段ですが、目的と状況に応じて使い分けることが重要です。

「借りられないからファクタリング」「高いから銀行融資」という単純な分け方ではなく、事業のキャッシュフロー戦略に即した判断が必要です。

最後に:迷ったときの考え方

一時的な資金不足→ファクタリング

成長や設備投資→銀行融資

決算不安・税金滞納→ファクタリング

信用構築・金利重視→銀行融資

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ABOUT US
株式会社デキタ
株式会社デキタの代表取締役。資金調達に関する知識を身に付けるために「ファクタリングで資金調達デキタ!」を制作・運営。その延長線上で、事業者の利用する資金調達方法に焦点を当てた当サイトを企画・制作・運営。 資金調達に関する記事執筆は2018年より開始。複数の税理士やファイナンシャルプランナーと交流しながら、記事執筆をつづける。